47.fk ページ47
「....そう。本当にいいんですか、それで。」
「いいんです。....いいんですよ。」
「まぁ雪はそれでいいんだろうけど。アナタはそれでいいんですか、川島さん。」
「僕がお雪さんの為にできることはこれだけなんです。こんなことでしか、あの人の笑顔を守れない。単なるエゴかもしれないけれど、間違っているかもしれないけれど....それでもお雪さんは笑ってくれますよ。最初は愛想笑いでも、そのうちきっと心から....いや、ここから先は僕の仕事ではありませんね。彼の頑張りに依存します。大きな賭けと言えば賭けですが、僕は彼とお雪さんを信じたい。」
「決意は固い、そう言いたいんですね。」
「はい。」
「そっかぁ....雪もとうとう身請けかぁ。」
川島さんが積んだのは、こちらの提示よりも1.5倍ほど多い金額だった。
もちろん過分は断ったけれど、川島さんなりの覚悟が見えて少し安心できた。
愛されてんなぁ、って。
雪のことを愛する男は数多存在するけれど、川島さんなら雪の心を守ってくれる....そう思えた。
普段は結構大雑把なくせに、変なところ繊細で傷付きやすい奴だから。
俺と照が大事に大事に守ってきた宝物は、とても壊れやすいものだから。
全く心配していないと言ったら嘘になる。
でも俺達と同じくらい....いや、もっと。
もっと大きな愛を、この人なら雪に与えてくれる。
それがどんな形であれ、この人は雪に充分すぎるほどの愛を与えてくれるだろう。
どうしても自分の手で雪を幸せにしてやりたいと願った川島さんの、愛。
偽善かもしれない。
エゴかもしれない。
間違いかもしれない。
お節介かもしれない。
だけどそれらは紛れもなく愛情であって、全て雪に向けられたもの。
あぁ....雪、アンタ愛されてんだよ。
こんなにも想われていること、ちゃんと知ってるかい。
親みたいなことほざいちゃって申し訳ないんだけどさ。
どうか....どうか幸せになってよ。
アンタが笑ってさえいてくれたら、俺も照もそれでいいんだから。
きっと生き別れた本当の両親だってそう思っているはずだよ、想像でしかないけどさ。
「川島さん、雪の....亮のこと、頼みましたよ。ウチの可愛い....いや、俺の方が断然可愛いけど。俺の次に可愛い亮のこと、よろしくお願いします。」
「女将さん....」
「二人が決めたことを後押しするのが俺の役目です。店主として、親として。....俺が二人の為にできることは、これだけだから。」
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まなお(プロフ) - なぎしゅうさん» ありがとうございます！twitterでフォローリクエストして頂ければ、18歳以上であれば基本的に承認しています。 (2021年2月23日 1時) (
レス) id: aed59bcb78 (このIDを非表示/違反報告)
なぎしゅう(プロフ) - 初めまして。13作品一気読みしちゃいました。半リアルというかむしろこれがリアルなんじゃないかと思えるくらい、私のイメージ通りのメンバー達で、脳内幸せです。是非、「青い鳥@manao__82」に投稿されてる作品も読みたいのですが、どちらに行けば読めますか？ (2021年2月23日 0時) (レス) id: dee66be56c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まなお
| 作成日時：2020年9月30日 18時
