42.sk ページ42
どうやって帰ってきたかは覚えていない。
気付いたら亮ちゃんの部屋で眠っていた。
亮ちゃんの布団で、隣には亮ちゃんも眠っていて。
起こさないように布団から出ようとしたけれど、亮ちゃんはぱっちりと目を覚ました。
まるでずっと起きていたかのように。
心做しか疲れたような顔をしている。
「ごめん....起こしちゃったね。」
「いや、いいの。俺ももう起きなきゃ。そんなことより....どうだったの、昨日は。」
「へ....？」
「翔太さんのところに行ったんでしょ。もう一度やり直せそう？」
「ぁ....佐久ね、翔太さんのことフっちゃった....」
「えぇっ！？どうして....っ」
「亮ちゃんのこと傷付ける奴は嫌いなの。例え初恋の相手でも、親でも兄弟でも。」
「そんな....だって佐久ちゃん、あんなに楽しそうに翔太さんのこと話してくれたのに....本気で好きなくせに....！」
「佐久には亮ちゃんが居るからいいの。」
「....いや、そんなのだめ。」
「どうして？亮ちゃんは佐久のこと、好きじゃなくなっちゃった....？」
「違う、佐久ちゃんのことは好き....大好き。かけがえの無い親友....だけど....」
「だけど、なに？」
「でも、俺は遊女だから....いつここを去るかわからない身だから....佐久ちゃんも、安心して身をおける場所を見つけけ欲しい....」
「....」
「ねぇ佐久ちゃん、お願い。お願いだから翔太さんとやり直して。俺は傷付いてなんかいない、翔太さんは何も悪くない。佐久ちゃんが翔太さんを嫌う理由なんて無いんだよ。」
「でも、だって....！！」
「....じゃあ、これでどうかな。由紗ちゃんの病気を治す為。その為だけに翔太さんと結婚して。」
「....っ！！！」
「由紗ちゃんにもしものことがあったら....それこそ俺、すごく悲しいよ。傷付くと思う。時間が無いの、病気のせいで夢を諦めることになった人....俺はその人を近くで見てたから、尚更。」
「....ずるい。そんなのずるいよ亮ちゃん。」
「俺はずるい人間だよ。だからこそこんな仕事ができるんだ。」
「ゆさぴょんと亮ちゃんを天秤にかけさせるなんて酷い！！」
「佐久ちゃんが翔太さんと結婚してくれないと、俺めっちゃ傷付くなぁ〜....」
「だからそんなのずるいってば！！！」
「ほーら、早く翔太さんのところ行きなよ。」
「うぅ....」
....やっぱり適わない。
おバカな佐久が亮ちゃんに口で勝とうなんて、きっと五億光年くらい早かったんだ。
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まなお(プロフ) - なぎしゅうさん» ありがとうございます！twitterでフォローリクエストして頂ければ、18歳以上であれば基本的に承認しています。 (2021年2月23日 1時) (
レス) id: aed59bcb78 (このIDを非表示/違反報告)
なぎしゅう(プロフ) - 初めまして。13作品一気読みしちゃいました。半リアルというかむしろこれがリアルなんじゃないかと思えるくらい、私のイメージ通りのメンバー達で、脳内幸せです。是非、「青い鳥@manao__82」に投稿されてる作品も読みたいのですが、どちらに行けば読めますか？ (2021年2月23日 0時) (レス) id: dee66be56c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まなお
| 作成日時：2020年9月30日 18時
