25.fk ページ25
「あー....それ、たぶん普通に不安なだけだわ。身請けとか、その先の色んなことが。」
珍しく寝坊した雪は、遅めの朝食後に『得体の知れない不安感』について相談を持ち掛けてきた。
落ち着けなかったり、寝られなかったり。
俺はそんな子達を山ほど見てきたけれど、やっぱり雪もそのタイプだったか....なんて。
身請け前、嬉しい気持ちの反面今までの生活がガラリと変わることへの不安を抱くというのはよくあることだ。
身請け先で受け入れてくれない人がいたらどうしようとか、ある日突然捨てられたら....とか。
考え出したらキリがないほどのネガティブが少しずつ心に蓄積されて、今の雪のような状態になる。
不安定になって、そのうち身請けそのものが怖くなってしまう。
身請け先に行ってしまえば、割とみんな「思っていたより平気だった！」なんてことがほとんどだけれど。
「俺....翔太さんのことを信じられてないのかなぁ。彼は絶対に俺の事を幸せにしてくれるし、大切にしてくれるはずなのに。それはちゃんとわかっているのに、勝手に不安になるなんて最低....」
「....」
....いや、雪よ。
そこじゃねぇんだ。
お前の場合、身請けそのものが危機的状況なんだわ。
渡辺さんと佐久のことは、俺が話すべきではないと思っている。
佐久か渡辺さんから伝えないと意味が無い。
だけど佐久はまだ、渡辺さんと雪の関係を知らないわけだから....
「....女将。俺ね、翔太さんのことが好きだよ。あの人とならどこへだって行けるし、地獄の果てにだってついて行ける。いつだって俺が翔太さんのことを守るし、必ず彼も俺を守ってくれる。ちゃんとお互いがお互いを支えて、きっと良い夫婦になるよ。」
「....いきなりどうした？」
「俺ね、女将と照さんに憧れてるの。小さい頃からずっと一緒に暮らしてきて、ずっと二人のことを見ていたの。勿論実の両親のことも大好きだし、尊敬してる。両親も女将達も、俺の目にはすごく素敵な夫婦に見えるの。俺も将来こんな家庭を築きたいなぁって、何回も思ったよ。その夢を翔太さんと....大好きで大切な翔太さんと一緒に叶えられる。こんなに幸せなことないよ。」
「おぉ....まぁ、確かに俺と照は最強の夫婦だわ。それは認める。」
「だからね、俺はこの不安に打ち勝つよ。ちょっと心が疲れちゃう時もあると思うけど....でも、俺には佐久ちゃんがいるから。あの子はいつだって俺を笑顔にしてくれる。あ、勿論女将もね！」
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まなお(プロフ) - なぎしゅうさん» ありがとうございます！twitterでフォローリクエストして頂ければ、18歳以上であれば基本的に承認しています。 (2021年2月23日 1時) (
レス) id: aed59bcb78 (このIDを非表示/違反報告)
なぎしゅう(プロフ) - 初めまして。13作品一気読みしちゃいました。半リアルというかむしろこれがリアルなんじゃないかと思えるくらい、私のイメージ通りのメンバー達で、脳内幸せです。是非、「青い鳥@manao__82」に投稿されてる作品も読みたいのですが、どちらに行けば読めますか？ (2021年2月23日 0時) (レス) id: dee66be56c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まなお
| 作成日時：2020年9月30日 18時
