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そのまま何も伝えられず、夜が明けてしまった。




今日は秋田に行く日。






何だか東京が名残惜しくて、







空港に飛び込んでくる人影に期待をしては落ち込み、また期待をしては落ち込んでいた。









「有岡くん!」









声とヒールの音で、それが誰なのかはわかった。







俺の彼女だ。













「有岡くん、元気でいてね、!!!」









彼女は笑ってそう言う。










俺はぎこちない笑顔で






「ありがとう」








と言った。











少しの沈黙の後に、彼女が






「有岡くん、他に好きな人がいるよね?」








そう言った。










否定はできない。




伊野尾さんのことを好きなのかもしれないし、





そうじゃないのかも。










「有岡くん見てればわかるよ。私じゃない誰かにずっと意識があるって最初からわかってた。」

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作者名:622 | 作成日時:2022年5月18日 13時

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