夢うつつ。(×in) (ページ8)

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yt side

もう、なんで年上なのにそんなにかわいいのさ。

こればっかりは身長高くてよかったなぁなんて。

「ゆーとあったかいね」

そう言いながら、頭をもう一度俺の腕に預ける。

「俺ね、実は子供体温だからね」

そう言えば嬉しそうに笑って、俺の頭をわしゃわしゃと撫でる。

「あーんなかわいかった裕翔ももうこんなおっきんだもんな」

「もー、またその話？」

たしかにいのちゃんの弟ポジションはなかなか美味しかったけどさ、ここまでやっと昇格したんだ。

見てわかりやすく不貞腐れると、もっと目を細めて頬を撫でられた。

「いまもかわいい、よ」

頑張ってこじ開けていたらしい瞳がそろそろ限界を迎えている。

ぱしぱしと瞬きをする回数が増えるその瞳にそっと手で蓋をする。

「おやすみ」

「ん…、すみ……」

途端にぐっ、と増す腕にかかる重み。

さっきより感じる重さに全身委ねてくれてるんだなと思うと嬉しくて。

小さな頃から何一つ変わらないその寝顔に思わず顔が綻ぶ。

さらりと前髪をのけると出てきたおでこに優しくおやすみの合図を。

fin.