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「伊野尾くん!」
「あ、噂をすれば」
楽屋を出て声が聞こえたその瞬間、伊野尾ちゃんの眠たそうな瞳がパチリと開かれて、笑顔がぱあっと明るくなる。
それは、きっと彼にしかできないことで。
遠くから控えめに手を振るかの後輩はかわいらしくて、イケメンで、まるでお姫様をむかえにきた王子様のようだった。
一目見てわかる、お似合いだなぁって。
「じんじん!」
「お疲れ様です」
「お疲れ〜」
「もう終わりですよね?」
「そう、帰るだけ〜!」
今日あった出来事を神宮寺くんに話す伊野尾ちゃんはかわいくて。
ちらりと視線をずらせば、嬉しそうな伊野尾ちゃんを見つめる神宮寺くんの目線もそれはもうたんと甘くて。
すっかりニコニコとご機嫌になってしまった伊野尾ちゃんは憎いほど可愛い笑顔で振り返ってこっちを見る。
ふりふりと綺麗な手を振ってくれるのにまたキュンとしてしまう。
「じゃあね、山田!おつかれ!」
「お疲れ様です」
「うん、おつかれ、またね」
あぁ、それは俺たち特有の距離よりも近いなぁ、なんて後ろ姿を眺めていると胸が締め付けられた。
振り返した手は手持ち無沙汰になりそっと下げられていく。
「……俺の方が、知ってるのになぁ」
もっと、ずっと。
ぽつりと呟いたそれは窓の外から聞こえるセミの鳴き声に溶けて消えていった。
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お星様が赤色に……!ありがとうございます(;_;)
これからもどうぞよろしくお願いします!
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すいのん(プロフ) - ゆ 。さん» とてもとても嬉しいお言葉ありがとうございます!励みになります(;_;) (2023年4月5日 0時) (レス) @page29 id: 2a4d715210 (このIDを非表示/違反報告)
ゆ 。(プロフ) - 数少ないjgin小説ありがとうございます。主様の書き方がすごく好きで何回も見させていただいています!! (2023年3月30日 18時) (レス) id: 132d25980b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すいのん | 作成日時:2020年12月31日 0時