憧れの人は ページ10
「俺バスケ部の仮入部行ったとき練習着忘れちゃって、まだ入学したてで友だちもいないし泣きそうだったんですけど
そしたら風磨くんが気付いて自分の貸してくれて」
話す聡くんはすごくやわらかい笑顔をしている
「まあしゃーないしゃーないって頭なでてくれて
それでちょー安心しました」
聡くんも風磨の優しさに救われた一人だったのだ
あの独特の安心感と頼もしさは風磨の魅力である
「風磨は不器用なところがあるから怖がられたり
理解されなかったりすることが多いけど
聡くんが分かってくれてて良かった」
私がお礼を言うのもおかしいが
ありがとう、と言いたい気持ちだ
「俺もあんなふうに男らしくなりたいなー」
「意外とかわいいところもあるよ？」
「惚気ですかー？」
「ちがいます！！」
軽口を叩いているとオーブンがチンと鳴った
うまく発酵出来ているだろうか
耐熱ボウルを取り出して生地に指先をさしてみると
くぼんだ部分がそのままになったので発酵は完了だ
「じゃあ丸めていこうか」
この感じだと12個くらい出来そうだ
また20分寝かしてからメロンクッキーの生地を包み込むように丸める
だんだんコツを掴んできたのか聡くんも手際がよくなっている
最後に格子模様をつけて２度目の発酵
時刻はすでに夕方になっていた
買い物は風磨に頼んであるのでやることもなく時間を持て余していると
ソファーの方から寝息が聞こえるようになった
起こすのも気が引けたので毛布をかけてやり
発酵が終わったあとの焼き上げに入った
ちょうどメロンパンが出来たころに風磨とこうちゃんが帰宅したので
その拍子に起きた聡くんは顔を青ざめて謝ってくれたが最後は４人で爆笑して
無事メロンパン作りは成功したのだった
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桜田サクラ(プロフ) - 恋叶さん» 応援ありがとうございます(*^^*) (2018年4月9日 20時) (
レス) id: 7c48974a82 (このIDを非表示/違反報告)
恋叶 - 配信楽しみにしてまーす♪ (2018年4月4日 21時) (レス) id: 276c38998c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜田サクラ | 作成日時：2018年3月19日 8時
