僕の灯が消えるまでに(in×ar) (ページ16)

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人でなしページ16

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「ちゃんは、何処も悪くない健康なんでしょ？こんな風にご飯もたくさん食べて。

それなのにどうして死ぬ何て言うの？」

僕は箸を置いて彼の目を真っ直ぐに見ながら問いかけた
彼は僕と違って体が悪そうでもないし、
これから未来を歩いていく人でしょ？

「……俺は、人でなしなの。

誰にも必要とされてないし、無駄に長生きするより芽を摘むみたいに早いとこ処理された方がいいんだよ」

彼はそう言うと止まっていた箸で再度ご飯を口に運んだ

「処理って何……どうして自分の命をぞんざいに扱うの？

これから生きていけるのに……、沢山色んなことができるのに何もしないで諦めてるの？

生きていれば何でも出来るんだよ……
可能性は誰にでもあるんだよ……

…死ぬって、そんな簡単なことじゃない！」

急に声を荒らげる僕に二人は驚いた顔をしていた

それでも僕は彼が許せなくて、立ち上がった

「ちゃんと考えてよ……」

呆気にとられている様子で僕を見ている

「…どうしたの？」

「帰る」

リュックから財布を出して千円札をテーブルの上に置いた

「帰るって、ちょっと待ってよ」

彼の制止の言葉も聞かずに定食屋を出る

生まれてきて初めてあんな大きな声を出した気がする
幸い、お客さんは僕たち以外いなかったからよかった

「……」

リュックを背負い直して右か左かどっちに行こうか迷って車が通るのが見えた右へ歩き出した

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「大ちゃん！」

暫く歩いていると後ろから彼の声がした

振り返ると小走り気味にこっちへ向かってくる姿

「……」

「やっと見つけた。これで二回目……」

「……」

「ごめんって。そんなに怒らないでよ」

「…軽い」

謝っても反省しているようには見えない彼
僕はそっぽを向きリュックのベルトを握って歩き出す

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