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11 真実 ページ11

岩本side



俺だって混乱してたのは確かだった。



阿部が倒れて 病院で3時間も処置されて でてきたら機械だらけで頭は包帯でぐるぐる巻き。



そんな状況で普通に居られるわけなかった。



ガラス1枚挟んで 機械に規則的に呼吸させられてる阿部の体は 規則的に上下してて



ガラスが目の前にあっても 中の機械の音が聞こえてくる。



それを見て静かに涙を流す人もいたら もうわんわん泣き崩れる人もいる。



俺は…、









.





『…今日から阿部さんの主治医になります。』


「…はい。」


『阿部さんからお話って聞いてますか』


「…病院にいったら疲労からの頭痛だからって薬だけ貰ってきた、…とは聞きました。」





ああ…、やっぱり嘘だったんだ。って



この時先生の顔と流れた沈黙に思わされた。







『…とても申し上げにくいんですが…』




先生の言葉にごくり、と喉がなる。









『阿部さんですね、脳に腫瘍が見つかりまして』




はっとした。




「…治るんですよね?」


『化学治療を主にしてまずは腫瘍を小さくすることから始まります。』



そのまま腫瘍を取り除ければ、と続けて言った先生に少しの光が見えたと感じた。



でも





『転移さえなければ今は大丈夫です』




と付け加えられた言葉に



とてつもない重みを感じた。

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作者名:はくまい。 | 作成日時:2021年4月4日 13時

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