芸人さんと【短編集】# 2 (ページ8)

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桃色のﾜﾝﾙｰﾑ____ ももせめる。ページ8

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『っん～、頭いた、』

やらかした、これは完全に二日酔い、、

頭痛と多少の気持ち悪さの中、

目を開けると白い天井、見覚えのない家具、

でもなんか知ってるにおいがする

『えぇっ！？』

慌てて飛び起きると、床の上で寝てる男の人が見えた

ああ、思い出した_____

「ええやん！Aも飲もうや～」

「一杯ぐらい大丈夫やって！」

同期数人で集まった飲み会は、盛り上がらないはずもなく

いつもなら次の日仕事がある時は飲まんって決めてたけど

『じゃあ、一杯だけ、、』

のつもりが、

見事にそこらへんからの記憶がなくなっている

今分かるのは、私は昨日あのまま潰れてしまって

同期に介抱され、このベッドを一人で占領し

介抱してくれた同期を硬い床の上に寝させている

、、私最低か？？

『５時半、、もうちょい寝れるよな？』

携帯で時間を確認して、ベッドを出た

まだ薄暗い部屋にはｽｰｽｰ、と規則正しい寝息だけが聞こえる

『秋吉～。』

そっとしゃがみ込んで

何回か肩をトントンしても起きる気配がない

どうしよ、、

なんか無理やり起こすのも可哀想になってきた

申し訳程度やけど、あと数時間は自分のベッドで寝てほしいねんけどなぁ

でも目の前の秋吉は、気持ちよさそうに寝息を立ててるし

それにしても、

『サラサラやなぁ、、』

うらやましいくらい艶のある黒い髪

洲崎に無造作ヘアとかしてもらってたけど、

私はノーセット派やなとか考えたり

やっぱ意外と顔整ってるよな、とか思ったり

こっそり目にかかってる前髪を

指で梳かしてみたり____

せめる「ふっ、何してるん」

『っ！！』

せめる「なあ、

あんまりそういう、可愛いことせんとってもらっていい？」

寝ていたはずの人間に突然手を掴まれ、驚かないわけがない

『お、起きてたん！』

せめる「うん、普通に起きてた」

慌てる様子の私を見て、秋吉は片方の口角を上げて笑ってる

『起きてんねんやったら言ってよ！！』

せめる「タイミング逃した」

『なにそれ、じゃあちょっと前から起きてたんやん！』

せめる「目覚めて分かりやすく慌ててんのおもろかったなあ、」

『そこから！？』

全部見られてたとかほんまに恥ずかしすぎる

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