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｢……｣
『無視します普通！！？……あ、昨日のおかっぱ厨ニ病少女！』
まさかのぶつかったのは厨ニ病少女。そういえば名前知らないな。無駄に男の子っぽいカッコイイ厨ニ病少女は無視して通りすがろうとしたが、私が叫ぶと振り向いて、
｢……あぁ、すまなかった。まだ私を知らない、新入りか？私のことはハク様と呼べ。あと何を勘違いしてるのかは知らないが、私は女ではなく男だ｣
と怒鳴った。
『えっ君男だったのごめん昨日からずっと＿』
｢無駄口を叩くな！！仕事に集中しろ｣
そしてまた怒鳴った。私が昨日のことを持ち出したら速効で遮った。ふざけなんなよぉぉ！！
『あっそう！！じゃあ今日から厨ニ病少年ハク様宜しくお願いしまぁす！！！』
語尾にハートがつくように嫌みったらしく言い放ち、リンと千の手を掴んで走り出す。
｢廊下は走るな！！｣
『すみませ〜ん、新入りなので知らなくてぇ、また教えてくださ〜い！！キャハハッ！』
追いつかれないように部屋まで一直線だぁあっ！
☆
｢お前、凄いな……ハクに堂々言う勇気があるなんて｣
息を切らしたリンが私を見てニヤリと笑う。
『え、ハクってそんな物申せないほど怖いの？それともお偉いさんなの？』
｢お偉いさんだよ。俺は気に入らない。湯婆婆の弟子でここで二番目に偉いのさ｣
『ぇえ゛マジ！！？やっばい私明日命ないわ来世はめっちゃ凄い天使になりたいよ』
終わった待って待っていやもうダメだわ。
｢は、ハクは悪い人じゃないよ。ただ＿｣
『千ちゃん何言ってんのあれはどう見てもシンデレラの姉達だろ』
｢そんなことないです！｣
『アリアリのアリだって！！私明日からアイツに媚びへつらおう生き残るために』
｢何か汚いな｣
『リン。生きるとはそういうことさ……』
就職早々命の危機に見舞われてるんだけど泣きたい。
その日昼ご飯を食べてから、他の湯女から伝言が回ってきた。
｢うららさん、ハク様に呼ばれてるよ。一時に庭に来なって｣
『そーか有難う御座います先輩……て一時って今じゃん先輩伝達遅すぎどんくさ！！』
｢どんくさっ……！！？｣
顔を真っ赤にする先輩は完璧に無視し、私は廊下をダッシュした。
｢よううらら！どうしたんだそんなに急いで｣
『ごめんリン、ハク少年に呼ばれたぁぁ私処刑宣告受けるみたい！私の遺言は[愚民ども、平伏せ！！]だよ！みんなに伝えてネっ！！』
後ろからリンの声が流れてきたが気にしてられない。
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作者名：ふわふわありす | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/inotaku093312/
作成日時：2021年1月9日 0時
