103 /美菜side ページ19
風磨が昼まで仕事で帰ってきて2人でいたときに連絡もなしにいきなり星川のお母さんがうちに来た。
ある一人の女性を連れて。
っ!あの人は…。
「み、美菜姉…?」
驚きすぎて言葉が出ないなかやっと絞り出した一言。
菜緒姉の姉で私のもう一人の姉である
彼女は私より10歳年上で菜緒姉の6歳年上だ。
10年前いきなりどこか海外に行ってしまい、それ以来連絡が取れなくなっていた。
そんな美菜姉が目の前に。夢じゃない。
風磨がいるのも忘れて私は美菜姉に抱き着いて泣いてしまった。
それを見た風磨は驚いていたみたいだけど私はそんなこと気にしている余裕はなかった。
私はあの日から一度も泣けていなかった。菜緒姉の死んだあの日から。
菜緒姉が死んだあの日泣きたい気持ちはものすごくあったけど私は泣けない。泣いていたのは零兄1人で他は誰も泣いていなかった。
私よりも辛い人がいてその人が泣いていないのに私が泣けるわけがない。
それにお葬式の後は美心と透くんの世話をしながら零兄の面倒に加えて遺品整理と泣く暇もなかった。
泣いているうちに私は眠ってしまった。
美菜side
美菜「Aちゃん、寝ちゃった」
美菜「寝かせてあげたいから寝室案内してくれる?」
風磨「寝室2階なので一旦和室にお願いします。布団敷いて来るのでちょっと待っててください」
そういってAちゃんの旦那さんが部屋を出ていった。
そして戻ってきたと思ったらAちゃんをお姫様抱っこでサッと抱えて和室に連れていった。
かっこいい。
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作者名:2806 | 作成日時:2022年4月6日 10時