【2】Body Talk

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電車に乗ってしばらくすると、高いビルやショッピングモールが窓の外に見えてきた。


集客力のあるこの駅周辺は休日ということもあって、家族連れやカップルや学生の集団で溢れていた。








『映画なに観るの？』



改札を出て、歩きながら顕嵐に聞く。

私たちの手はまだ繋がれたまま。








「俺はSFが好きだけど、Aは恋愛モノが好きじゃん？」

『うん』

「だからその２つを融合したやつ！」

『……うん？』








SFと恋愛の融合って、なに？








「まぁ観れば分かるって♪」

『ほう…』








何故かるんるんしてる顕嵐と、

なんだか嫌な予感がしてる私。








＿








「俺チケット買ってくるからA待ってて」

『じゃあ私飲み物買ってるよ』





映画館は駅から歩いてすぐのショッピングビルの９階に入っていて、チケットカウンターにはそこそこの行列が出来ていた。





「買ったら向こうにいてね？すぐ行くから！」

『うん、分かった』





後でね、という言葉と共に手が離れて
何となく寂しくなる私の右手。





少し歩いて後ろを振り向くと、列に並んだ顕嵐が電光掲示板でチケットの空席具合を確認してるのが見えた。



身長が伸びた顕嵐はモデルさんみたいで、
立ってるだけでよく目立ってる。








『あ…』








すると近くにいた女の子２人が顕嵐に話しかけてるのが見えて、私は咄嗟に前に向き直した。







急に胸の奥が痛くなって、

足早にそこを離れる。











…ばかみたい











なに今さら傷付いちゃってるの？











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