【2】Body Talk

064▽Aran ページ19

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”女泣かせてるお前のやり方もどうかと思うけど。”





俺より少し背の高い先輩が見下ろしながら低い声でそう言って、

一瞬放心状態になった俺は
黙ったままボールを持って立ち尽くす。








「そろそろ教室戻りますかー！」




次の瞬間聞こえたのは岸くんの声で、
我に返ったときには先輩は自分の鞄を取りに行っていた。


岸くんが持ってきてくれた鞄を受け取って、3人で体育館を出る。








「じゃあまたな」

「うっす！またLINEします！」

「どうも。」





肩に鞄を担いだ先輩が階段を上がっていく。


やっぱり俺のこと気付いてたんじゃんって
その背中に向かって心の中で呟いた。





すると突然自分の背中に衝撃が走って、隣りを見れば岸くんが手で叩いたんだと分かった。





「痛ってぇ！…なに急に！」

「風磨くんカッコいいだろ？」

「にやにやしないでよ気持ち悪い」

「何お前、1オン1負けて八つ当たり？」

「うるさい！まだ負けって決まってねーよ！」





俺の言葉に「いやいや負けてたじゃん」って笑う岸くん。


違うから。
俺はバスケの話してるんじゃない。








「まぁいいや。岸くん、フウマくんの事色々教えてよ」

「仕方ねぇなぁ〜じゃあ俺と風磨くんの出会いからな」

「うん」

「あれは俺が中1のとき部活見学に行って…」

「うんうん」

「そこでエースだった風磨くんが…ってお前携帯いじんなよ！！」

「うんうんうん」








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