【2】Body Talk

060▽Fuma ページ15

.








「お前のダチ、変わった名前だな」

「俺も最初全然読めなかったっす！」








ボールを指の上で回しながら
２人しかいない体育館を見渡す。


例の岸の友達は、どうやら寝坊したらしい。








「ほんとすいません風磨くん」

「別にいいよ。部活じゃねーし」





人差し指から落ちそうになったボールをキャッチして、
そのままゴールに向かってそれを投げた。


枠に弾かれて落ちたボールを近くにいた岸が拾いあげる。





「あ、そういえば俺、前に顕嵐の話しましたよね？」

「…してなくね？」

「あれですよ、元カノ追い掛けてきたって話」

「え、そいつ？」

「そっす！」





ドリブルをしながら岸がゴールに向かっていく。


現役なだけあって綺麗にシュートが決まった。





「その顕嵐て奴、結局どうなったんだよ」

「なんかこの前デートしてたみたいですよ」

「上手くいってんだな。」

「だと思います！
映画のチケット２枚の写メ送られてきて、
めっちゃノリノリだったんで」

「…へぇ。」








岸からのパスを受け取って
その場でボールをバウンドさせる。


特になにも考えず、
もう一度シュートを打とうと構えた時だった。











「ごめん岸くん！遅れた！」











体育館の扉を開けて飛び込んで来たそいつが、

俺を見て目を丸くしたのが分かった。








.

061▽Aran→←059

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す