ニセモノを探せ*10 ページ11
思わずうらたの方を見てしまった。
うらた何事もないように若干下を向きながら普通に歩いている。
当たり前なんだ。
この中の誰かがニセモノと公言されたこの状況。
見つけ出さなければいけないのは、きっと誰もがわかっている。
それと同時に、誰のことも信用できないというのもわかっている。
うらたは、特にリーダーとして。
皆を率いる存在として、特に見つけなければという使命感があるのだろう。
わかっている、わかってはいるんだけど。
悲しいな、なんて。
探り探りで、相手のことを疑いながら過ごすこの一週間なんて辛いに決まっている。
元々すごい仲が良い私たちだし、正直言うと誰のことも疑いたくない。
(なんてただの我儘だ)
「なんかあった時のために一応2人と3人で分かれたほうがええんちゃう？」
「おっけー。じゃあ、俺と坂田は1階と2階、まーしぃとセンラとAは3階と4階を見て来よう。もしなんかあったら報告するように」
「了解」
てきぱきとしたリーダーの指示に頷いて、志麻、センラと共に散策を開始した。
私たちが今いる階は3階。
なので先に4階に行ってこの階に戻るっていう順番がいいんじゃないか、という志麻の提案に乗っかった私たちは早速階段に向かおうとした。
ここから一番近かった生徒階段を使って上へと上がる。
「ほんま気味悪いなここ…全部が逆になってて違和感しかあらへん」
「本当ね…」
センラの言葉に心から頷く。
いつもなら時計回りに上がる階段を反時計回りに上がるなんて違和感がありすぎる。
時計も反対になっていて時間を確認するのにも一苦労だ。
ただ身に着けていた腕時計は通常の向きだからそれが救い。
4階に着きパチッと電気をつけて明るい廊下を3人で歩く。
やけに静かな廊下は私たちの足音だけが響いている。
「やっぱ変わったところはなさそうやね」
教室を次々と確認するけれど左右反対になっているということ以外変わったところはない。
3年生の教室は普段滅多に入らないから心なしかわくわくしてしまう。
「なんかA楽しそうやな」
気づけばセンラにそう言われ思わずドキッとしてしまう。
そんなに顔に出てしまっていたのだろうか。
「だってさ、普段あんま入れない教室に入れるってわくわくしない？」
「まあ、するけど」
やはりこの状況にわくわくしてしまうということは能天気すぎるのかな。
けれどずっと怖がっているよりは少しでもテンションを上げないと精神が持たない気がする。
と、その時机の中などを物色していた志麻が「あっ！！」と声を上げた。
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菊香(プロフ) - 白雨さん» わ！はくちゃんありがとう〜！！めちゃめちゃ嬉しいです…そんなこと言ってくれて光栄ですありがとう(;;)更新のペース上げれたらな、と頑張るのでこれからもお付き合いください* (2019年9月26日 5時) (
レス) id: c2572f788b (このIDを非表示/違反報告)
白雨(プロフ) - コメント失礼します〜！ 菊ちゃんの作品の中で1番好きな作品がこの『ニセモノを探せ。』なんだけど、やっぱり考察も入るから一つ一つの表現と言葉が印象に残るし、文もまとめられてるからすっと頭に入ってきて凄く読みやすかったです！更新待ってます……！！ (2019年9月26日 0時) (レス) id: 7f0c200b78 (このIDを非表示/違反報告)
菊香(プロフ) - 乃都さん» わわっ、ありがとうございます！とても嬉しいです…励みになります(;;)これからもお付き合い頂けると幸いです〜！ (2019年9月25日 21時) (レス) id: c2572f788b (このIDを非表示/違反報告)
乃都 - 分かりやすい表現で､メンバー一人一人の性格や口調も掴めていながら読めば読むほど推理や推測も出来私などでは､表し用の無い程素晴らしい作品です。こんな素敵な作品を見せて頂きますありがとうございます。 (2019年9月25日 17時) (レス) id: ddd9224e3c (このIDを非表示/違反報告)
菊香(プロフ) - イチさん» うふふ( *´艸`)更新がんばりますね！ (2019年8月18日 17時) (レス) id: 2f8e2c41d8 (このIDを非表示/違反報告)
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