▽3-1(luz×店員) ページ6
店内に流れるジャズ。
淹れたてのコーヒーの匂い。
そして店員さんのあの笑顔。
その全てが好きだから私はカフェの常連になってしまった。
そのカフェと言うのは路地の奥にある知る人ぞ知るというようなもので。
私も路地に入る用が無ければ一生会うことの出来なかっただろうこの場所。
今では落ち着く場所になってしまいほぼ毎日、少なくても週4回は通っていた。
「いらっしゃいませー」
カランコロンと耳に優しいベルの音を聞きながら店内に入り、チラリとカウンターを見る。
店に入ってきた私に いらっしゃいませ と言った彼は私の方を見て微笑む。
…あぁ、好きだなぁ。
私は小さく会釈をしていつもの席に座りながら そう改めて実感した。
「ご注文はお決まりでしょうか？」
そう私の席に注文を取りに来た店員さん…luzさん。
なんでもこの店では店員さんは全員名前が本名ではなくあだ名のようなもので。全員そのあだ名で呼び合っている。
だから私も、luzさん と呼んでいるのだ。……実際には言えないけれど。
「あ、ホットコーヒーを1つ」
そう、いつも通りこの店の一番安いものを頼む。
こんなにしょっちゅう来ているものだからこれくらいの値段のもので無いとお財布が悲しいことになってまうのだ。
「かしこまりました」
また微笑みを浮かべて店の奥に入っていった後ろ姿を見て はぁ と少しため息。
店員と客。
ただそれだけの関係で本名はもちろん年齢すら彼女がいるのかさえもなにもかも知らない。
けれど、私は店に来るたびに見せてくれるその微笑み、たまーに交わす会話が私にとってかけがえの無いものなっていて。
好き と気づくのはそう時間はかからなかった。
先月、2月の14日。バレンタインデーに私は勇気を出してチョコをluzさんに渡した。
その時は喜んでいるように見えたけれど、それ以上のことは何も無く。
………まぁ、luzさんイケメンでカッコいいし、性格も良さそうだし。モテるだろうな とすぐに分かる。
彼女……いるだろうな。いや、いるだろう。あんないい男誰かが捕まえているはず。
叶わない恋だとは分かっている。
でも、やっぱり私はカフェに足を運んでしまうのだ。
彼に会う、ただそれだけのために。
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菊香(プロフ) - 猫わかめさん» うふふ切ないの書くの好きなんですよね…(苦笑)あのセンラさんの立場大好きですwありがとうございます^^* (2018年3月19日 6時) (
レス) id: 9d5bd3b9e7 (このIDを非表示/違反報告)
猫わかめ - え、最後のまふ君のやつセンラさん夢主ちゃんの事……これからも頑張ってください(ﾟ∀ﾟ) (2018年3月19日 0時) (レス) id: d5ef40128c (このIDを非表示/違反報告)
菊香(プロフ) - りんさん» 切ないお話もあったのでそう言って頂けて嬉しいです(*´ω`*)ありがとうございます^^* (2018年3月18日 17時) (レス) id: 9d5bd3b9e7 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - せつなかった (2018年3月17日 19時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)
菊香(プロフ) - りんさん» ありがとうございます^^* 更新頑張りますね！ (2018年3月15日 7時) (レス) id: 9d5bd3b9e7 (このIDを非表示/違反報告)
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