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4-2 ページ10









アーヤと砂原はなにやら楽しそうに話していた。
アーヤの笑顔が見えて、ズキッと胸が痛む。


そんな痛みも知らないフリをして、ペットボトルの蓋をすばやく閉めて、
歩みを速めた。



スーパーは冷房が効いている。
けれど、早まる鼓動は収まることを知らない。

その後、どうやって冷やし中華を作ったのかも、味はどんなものだったということも、
よく覚えていない。

でも、気がついたらベッドでうつ伏せに転がっていた。


「あー、わかんねぇ。」

1人、部屋の中で呟く。



___俺は、kzのリーダーだから。
チームの中で唯一の女子であるアーヤと付き合うのは俺だと思っていた。

でも、アーヤはそれを拒んで皆男女の性別を超えたグループを目指すと決めたはずだ。
だから、誰かと付き合うとかは無いと思っていた。

でも、仮にもしあれが告白現場だったなら?
……なんて、ただの空想でしかないはずなのに。

そう考えるとさらにそう思ってしまって、ひたすら自問自答を繰り返す。


……そうだ、聞いてみたらいいんだ。
行動したほうが俺らしいし、そのほうが心のもやも晴れそうだ。


そうときめ、携帯を取り出し砂原の電話番号を押していく。
砂原はすぐに出た。

『はい、もしもし。』

久々に聞いた砂原の声は、いつもと変わった様子は無かった。


「突然ごめん、若武だけど。」

何故だか緊張してくる。
俺はあまり緊張するタイプではないはずなのに。


『あぁ、若武か。ん、どうした?』

先ほどの光景が脳裏で浮かんだ。


「さっき、砂原とアーヤが公園で2人でいるのを見たんだ。
何してたのか気になってさ。」

…果たして、砂原は何て言うのだろう。


少しの間だけ沈黙になる。
その沈黙の時間だけでも待っているのが辛くなる。
それほど、俺は気にしていたのだろう。


『1ヵ月くらい、日本にいることになってさ。
で、辺りはどうなんだろうって散歩してたら立花に会ったんだ。
立花も気まぐれらしくて、休憩がてら日陰で涼んでたんだ。』

携帯越しに聞こえてくる聞こえてくる砂原の声は、さっきと変わりなく、
あぁそうなんだ とあっさり納得する。


「そっか、分かった。
いきなり電話かけてごめん。じゃあな。」

携帯から『じゃあ、な。』と聞こえてきて、耳から携帯を離した。


納得しながらも、まだ心のどこかで気になっていたのも事実だった。





4-3 Fin.→←4-1 (夏の暑い日)



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Koko - 忍目線の話って少ないので嬉しいです!(私の推しキャラは忍なのです) (2018年12月8日 22時) (レス) id: ed9673c0fd (このIDを非表示/違反報告)
菊香(プロフ) - チョコ♪さん» チョコ♪さん、ここにもコメント…ありがとうございます!!更新、のんびりと頑張ります(^^) (2017年7月25日 20時) (レス) id: aea442a5e9 (このIDを非表示/違反報告)
チョコ♪ - すごく面白かったです!更新頑張ってくださいね♪ (2017年7月22日 9時) (レス) id: 05bb390022 (このIDを非表示/違反報告)
菊香(プロフ) - 紗奈さん» うみちゃん!久しぶりだね(^^)切なさを表したかったお話だったからそう言われてホッとした…笑 とっても嬉しいです!ありがとう。こちらこそ読んでくれてありがとう! (2017年6月30日 21時) (レス) id: 52fa666800 (このIDを非表示/違反報告)
紗奈(プロフ) - お久しぶり! 元 うみなです^ ^ うんうん、やっぱり菊ちゃんの作品は素晴らしいね! 上杉君たちが大人になって、まだ眠っていた恋心が動き出す感じ。さらに、その恋心を封じて応援する切ない思い!! もうっ!きゅうって胸が苦しくなりました。素敵なお話 ありがとう! (2017年6月30日 13時) (レス) id: f9da42b55a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:菊香 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2017年3月28日 14時

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