手を伸ばしても、君には届かない。(kz×短編集)

2-2 Fin. ページ6

「＿＿＿＿＿…………ずっと、好きだった。」
ボソッと呟いた言葉。

アーヤは何か言った？と首をかしげる。
俺は何でもないと首を振る。



今すぐにも彼女に思いを伝えたい。
あいつより俺の方が君を想っていると叫びたい。

けれどそれは叶わぬ願いだ。


＿＿＿彼女とは同志で心の友だから

いつの日かは彼女との距離が縮まった言葉だった。
けれども徐々に俺を苦しめる言葉へと変わる。


俺はその枠から出ることは出来ない。
ましてそれ以上の関係なんてなれるはずも無い。

自分から望んで枠に入ったのに。


バカみたいだ。




何度後悔しても、
何度時間を戻したいと願っても、

叶うはずも無い。


けれどももし叶うのなら、その時はこんな願いを叶わせるためではなくもっと別の願いに。




＿＿＿嗚呼、どうか

彼女とその相手が幸せに結ばれますように。




愚かでバカな俺は、願うことしか出来やしないから。














心と言葉が矛盾する。
けれども、全ては彼女のためだから。


彼女を守るのは俺の役目ではないから。




どうか、彼女に花のような笑顔が咲きますように。









Fin.

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