昔、隣の席だった君。【skt】 (ページ33)

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となり*33 ページ33

目の前でジューッと良い音を出して焼かれているお肉。
お肉から出た油が、金網の下に落ちていく。

そんな様子を見ていた私に、お肉を焼いてくれている目の前のうらたんが苦笑する。
隣に座るさかたんは、お肉の焼き加減をチェックしてくれている。

うらさかの2人に焼かせて私が何もやらないのは申し訳ない。
けれど、最初に焼いたらいつの間にか焦げてしまっていたのだ。

まだ焼かないとという心があったからだろう。

それからは、私は焼かずにただ見ているだけに落ち着いたのだ。
……なんて申し訳ない。

「はいこれ、焼けたよ。」

さかたんがお肉を私のお皿に乗せてくれた。

「ありがと!」

タレにつけてお肉を口に運ぶ。

「美味しい…」

うわ、何これ柔らかすぎるでしょ。
久々に良いお肉を食べた気がする。

美味しさに感動していると、うらたんが少し笑っていた。

「瀬川さん、見ていて面白いね。」

う、面白いなんて初めて言われた……。

そこからはお肉を食べていき、最初はぎこちなくなっていた私とうらたんもだいぶ仲良くなれた。と私は勝手に思っている。

「あ、そうだ。瀬川さんって、そらまふ好きだったりします?」

うらたんの言葉に、私は大きく頷く。

「もちろんです!大好きです!!」

そらるさんのあの低音ボイスとまふくんの高音ボイス。
あの2人の声の相性も良いし、とても仲が良いし大好きな歌い手さんの中に入る。

「じゃあ、来週の日曜にあるあの2人のライブとかどうですか?行けるなら行きたいですか?」

「もちろん行きたいです!」

即答だ。もちろん。

「なら、あいつと一緒に行ってくれません?」

うらたんはそう言いながら、さかたんを指差した。

「へ?」

お肉を食べようとしていたさかたんの手が止まり、目が点になっている。

「AtRのライブのチケット、もらったけどその日俺、仕事なんだよね。
チケットもったいないし、瀬川さんと行ったら?」

うらたんは淡々と言っているけれど、私のテンションはものすごいスピードで上がっている。

ちょっと待て、それってさかたんと一緒にAtRのライブを見れるってこと?
…………え、神ですか。