もし、そう思っていたのなら ページ41
マレウス「吹雪が強くなりだした時に、とあるものを見つけた。
お前たちも見てきただろう？」
マレウスの言葉に、シルバーとセベクが息を呑む。
シルバー「まさか…」
マレウス「これだ」
そう言ってマレウスが見せたものはAが消えた後に見つけていた小さな氷の塊だった。
マレウス「これは…Aの魔力の塊なのはわかっていた。これを放てば、Aの気持ちが変わるかもしれないと思ってな」
セベク「マレウス様…ですがそれは……Aさんの魔力が詰められたものなのでしょう？なぜAさんに放てば…とお考えに？」
Aの方へ振り向くと、呼吸が荒くAの体力がなくなってきているようだった。
その様子は…まるであの時のリリアのようだった。
A「そう…ですよ……自分の魔力は…どんなに、強力でも効かない………なの、に…どうして………？」
弱々しく呟くAの元へ、マレウス達は近づき…Aと目線を合わせて……悲しそうな顔をしたマレウスはこう聞き返した。
マレウス「もし………Aが『消えたい』と…そう望んでいたら？」
A「あ……」
そよぐ風に乗って…Aの小さな声が運ばれていく。驚きと、わずかな納得を含ませて。
力なく呟いたAは、地面に倒れこむ。
A「そうでしたか………」
今にも消え入りそうな声で、白い息を吐きながらAは言った。
A「＿＿＿＿私、リリアの元へ逝きたかったのですね…」
ゆっくりと顔をマレウス達の方へ向けるAの目には、涙が。
辛そうにかつての仲間を傷つけていた時でさえ、流れなかった涙が……静かに頬を伝う。
A「ありがとう…みなさん………今度…この世に来られたら…国の隔たりなどない…あの時のような…笑顔溢れる………世の中に、なっていたらいいな………
マレウスとシルバーにセベク………
＿＿＿そしてリリア………あの人を…また………愛したい……」
マレウス「……きっと、そんな世の中になっているだろうな…」
ふぅっと長い息を吐いた後、
Aは今度こそ床に倒れこんだ。
＿＿＿＿＿そして、二度と起き上がる事はなかった
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瑠李(プロフ) - 続編待っています。 (2021年12月5日 23時) (
レス) @page43 id: 9824e2f221 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Fの小説 | 作成日時：2021年8月14日 21時
