冷徹な彼女は憎悪を知らない【ツイステ】 (ページ14)

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救いの手ページ14

「アズールが、いない！！！？？」

対応に出た店員の言葉に、Aは殺気が含まれているのではないかというくらいの声で叫ぶ。

珊瑚の海にあるアズール達が経営する食事処に、鏡を使ってやってきたA達に待ち受けていたのはそんな言葉だった。

A「どういうことですかそれは！！！！」

「え、えっと…その…………」

「言ったまんまだよ。お偉いさんに魔法薬の知識と、兵士に提供する食事処を持っているアズールは買われちゃったの。わざわざこんなところまで来てくれて悪いけど、ヒウオちゃん」

気迫に耐え切れず返事に戸惑っていた店員の様子を見ていたのか、Aの怒鳴り声が聞こえてきたのか、はたまた両方なのか…

店からは人魚姿のフロイドが出てきた。

エース「あ、フロイド先輩」

フロイド「久しぶり、カニちゃん。元気そうだね……なんて言ってる場合ではないか」

エースの後ろでマレウスに横抱きにされているリリアを見て、フロイドのヘラヘラ顔が一気に締まった。

フロイド「…！そうだ、アズールがよくベタちゃん先輩と魔法薬の事とかで話してたから＿＿＿＿」

A「ヴィルの所ですね」

言葉を最後まで聞かずに、Aは走り出してしまった。慌てて後を追うマレウスに抱えられているリリアは、細い息を繰り返していた。

毒が体中に行き届くようにされたのと、並みの解毒呪文では解かれないように調合された毒という事があって、一刻も早くリリアを回復させるための解毒手段を手に入れなくてはならなかった。

ジェイド「＿＿＿＿すみませんA……こんな時にお役に立てなくて…」

たくさんの兵士で埋め尽くされた店内から外の様子を見ていたジェイドが長いひれを動かしながら、悲しそうに目を伏せた。