世界に選ばれたNo.1【大谷翔平】

君には幸せでいてほしい ページ9

飛行機が離陸して、数時間は周りはざわざわしていて、いかにも休める状況ではなかった

でも、プロ野球選手でも…いや、プロだからこそかもしれないが


静かな寝息が聞こえてくるのにそう時間はかからなかった



A『風邪引くぞー…笑』




3人、並んで寝ている郎希たちの肩に起こさねよう細心の注意を払いながら、毛布を掛ける

大の大人が…って思うかもだけど、幼きは忘れべからず


幼い心があるからこそ、辛いことも、悲しいことだって乗り越えられる、やりたいこと一直線に進める





A『1人例外いるけどね……笑』

翔平「それって俺のこと？笑」


A『うわっ!!?』



体制を崩した私の腰に手を回し、支えてくれたのは驚かしてきた張本人



A『脅かさないでよ翔平!!』

翔平「ごめん、ごめんそんなに驚くとは思ってなかったんだよ笑」




みんなは静かに寝ているのでここまでの会話は全て小声だ


A『スーパースターは睡眠を大事にしてるんじゃないんですかー？』



そんな煽り口調でみんなに毛布をかけ続ければその手を翔平に止められる


A『なに？』

翔平「俺がするから、先寝てて」



………チッ、そうだった。こいつ気遣いの鬼だったわ…私が疲れてるのをわかっててこいつは起きてやがったな



A『毛布かけぐらいできるわ』


翔平「最近寝てれないでしょ」



ギクッ

そんな表情が出ていたのか、翔平は大きくため息をついて私を席に座らせた




翔平「やっぱりね。ほら、早く寝てて」

A『大丈夫だって!少し悩み事が……っ!』




そこまで言って後悔した。翔平はしゃがみこんで私と目線を合わせる




翔平「なに悩んでるの？」

A『別になにも……』


翔平「そんな言い訳今更通用すると思う？」



無言の圧に負けた私はポツポツと喋りだす



A『……この大会が終わったら…私は、どうしたらいいのかなって

…翔平のいない人生が……野球のない人生が怖くなった』


そういうと、翔平はまた大きなため息をついて目を伏せた



翔平「前までAの隣にいるのは俺じゃなくてもいいと思ってた

だけど、今は誰にも渡したくない。後悔したくないからあいつ(・・・)でもね」



A『あいつ…？』


誰のことを指しているのか不思議に思ったが、体は素直に眠りにつき始めた


翔平「おやすみ。A、いい夢を」







頬に優しくキスをされ、そのまま私は意識を手放した

君が俺の隣にいなくても→←近ちゃん、大変だぁ!!

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