重なる姿 ページ5
SIDE:村上
ずっと、暗い顔をしていた
試合が始まっても、その暗い顔は晴れていなくて……
俺と一緒だと思った
どうしたらいいかわからなくて、真っ暗闇の中、手探り状態で
前に進みたくても進めなくて、後ろに戻りたくても戻れなくて。とにかく、Aさんも俺もとてつもなく怖かったんだと思う
最初の一歩を踏み出す勇気が、、、恐怖を乗り越えることができなかった
岡本さんの3ランホームランの後、俺が見てもAさんは震えていた
でも、俺と違ってAさんは、強いから____
村上「Aさん!!」
無意識に、Aさんの名前を呼んだ
すると、翔平さんや岡本さんも顔を合わせて笑みを浮かべ、その名前を声高らかにドーム内に響かせた
翔平、岡本「「A!!」」
顔を上げたAさんは今にも泣きだしそうな、子供のような、そんな感じがした
ふと、懐かしい感じがした
昔、泣き虫な幼馴染がいた。大きな財閥のグループの1人娘だったその子はすごくお転婆で
お父さんに何度怒られても、何度野球道具を捨てられても、俺と毎日一緒に野球をしていた
ある日、お父さんと大喧嘩をして家を飛び出して、俺の家に家出してきた時があった
その時もその子は泣いていた。「もう家に帰らない!」と言い張って
でも、俺はその子のお父さんと仲直りしてほしくて、その子に泣いてほしくなくて、こう言った
村上「大丈夫!!行ってらっしゃい!!!」
翔平、岡本「「行ってこい!!!」」
俺の声に続けるように2人も続いた。一瞬、Aさんはポケッとした顔を浮かべた
その後、大声を上げて笑って、一切の曇りのない笑顔でこう言ってホームに向かって行った
A『おう、行ってくる!!!』
似ていないはずなのにその笑顔は数年前の幼馴染の姿と重なった
今日この試合が終わって、もし準決勝進出が決まったら、彼女に連絡しようと思う
別れた時の約束、果たせるかもしれないから
なにより、純粋に、今とてつもなく会いたいから
カキィンッ!!!
Aさんが放ったホームランが、俺の考えを肯定してくれているようだった
_____彼が驚愕の事実を知るのは、もう少し先のお話
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ゆらら - 黄色ジャス民さん» 返信が遅くなりすみません。現在、書いている途中なのでパスワードにしていますが、1話書き終えたら全体公開にする予定です。急いで書き上げます。すみませんでした (3月29日 15時) (レス) @page49 id: d6fa48bb82 (このIDを非表示/違反報告)
黄色ジャス民(プロフ) - ゆららさん。空に羽ばたくNO1のパスワードを教えて下さい。 (3月28日 23時) (レス) id: 8ff4fc4814 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらら - ゆうきさん» コメント、アンケートのご協力、ありがとうございます!!皆様新作、続編希望ですね…笑。頑張って更新していきたいと思います!ありがとうございました😊 (1月14日 8時) (レス) id: d6fa48bb82 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - 主様が書くお話いつも楽しみに読ませていただいています!これからも主様の作品を読みたいです!なので、3番でお願いします🙇🏻♀️ (1月14日 2時) (レス) @page40 id: 1c1d67dc9d (このIDを非表示/違反報告)
ゆらら - ゆーさん» コメント、アンケートのご協力、ありがとうございます!!皆様にお褒めの言葉をいただけてわたくしも感激でございます。新作は今ちょこちょこ作っているのでできたら更新させていただきます!!ありがとうございました😊 (1月14日 0時) (レス) id: d6fa48bb82 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆらら | 作成日時:2023年10月27日 21時