世界に選ばれたNo.1【大谷翔平】

嘘と書いてホンネと読む ページ29

そうだ、あの時、翔平は……ただ冗談だと私が思い込んでただけで…翔平はずっと本気だったんだ



A『…本気だったの？』

翔平「俺はいつでも本気だけど？」



後ろの光に照らされた翔平はほのかに紅く色付いていた。見たことのある表情……どこかで…



その時、高校の記憶が鮮やかに蘇った………そうだよ。あの時から答えなんか変わってないじゃないか




A『その後私が返した言葉覚えてる？』

翔平「？冗談で笑ってなかった？」



そうだ、あの時も冗談だと思い込もうとしてた。だけどあのときは今よりもきっとずっと純粋で素直だったんだ



A『じゃあ、翔平が世界一の野球選手になったらねって返したよ』



私の返しに驚いた翔平はポケッとした表情を浮かべた。その表情は高校生からずっと変わらない

なにも変わっていなかったのに、私は勝手に変わろうとした。翔平の気持ちを知ろうともしなかった




A『翔平、私の答えは変わってないよ








＿＿＿＿世界一になった君の隣にいてもいいですか？』





翔平の表情は少しづつ、笑顔に変わっていった

どこまでいっても子供らしい笑顔、図体と態度だけは大きな悪ガキ、人懐っこい性格


＿＿＿＿全部、好きなんだから












「せ、先輩!!カメラ回してください!!」

「あ？どうした？」


「大谷翔平が跪いてます!!プロポーズですよ!!カメラ回してください!!早く!!」

「お、おい!急いでカメラ回せ!!」




周辺一体が騒がしくなった

そりゃ、そうだ。今大会MVPを獲得した両者がマウンドにいるんだ

しかも、あの大谷翔平が跪いてプロポーズ……世界中の女性ファンが倒れちゃうわなぁ…笑




「先輩知ってましたか!?大谷選手と有明選手が付き合ってるの!!」

「いや、知らねぇよ…2人はただの幼馴染って聞いとったからなぁ…」





「2人とも!!中継準備!!村山アドリブでもなんでもいい!!中継繋げろ!!

畠中!!!限界までカメラズームにしとけ!!!」



大谷選手と栗山監督、両名からの条件で家族への取材を控える代わりに選手たちのインタビューをさせてもらっている

インタビューするには許可が必要になる



「いつからだったんでしょうねぇ…」

「知らねぇよ……だが…」



カメラをセッティングしながら、俺はこの歴史的瞬間を逃さぬようしっかりと目に焼き付ける







「2人が幸せなら、いいんじゃねぇか」





それが本人たちにとっても最高の幸せだろう

プロポーズ→←小さい頃からの

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す