世界に選ばれたNo.1【大谷翔平】

私よりも… ページ1

カキィン…!!




開幕、1回表


一塁二塁の中での、翔平の打席




A『おぉー飛んだー飛んだー!!笑』

岡本「大谷翔平が大谷翔平に対抗するなー!!笑」



3ランホームランを放った翔平はそのボールを自身がスポンサーを務める看板に直撃させた

観客は大歓声を上げ、翔平や近ちゃん、たっちゃんも笑顔でベンチに戻ってくる


翔平「どうだった？笑」


ニタニタと笑いを漏らす翔平にデコピンをして頬をつまむ


A『笑い方矯正してあげようか？笑』

翔平「いひゃい(痛い)、ごひぇんごひぇん(ごめんごめん)…」



A『まぁ、……ちょっとはかっこよかったよ……』

翔平「え、ちょ、待ってよA!!」



すれ違いざまに小さく呟いた言葉を翔平は聞き逃さなかったらしい

私の手を掴もうとした。が、


山さんがレフトフライで三振になったことで私はショートに向かうために走り出した



山田「そっち頼んだよ、Aちゃん!」

A『りょーかいです!!』




今試合、先発は山本

調子のいい山本は相手から打者を3人で抑え込み即交代となった





ガンッ!!


鈍い音が響き、私は反射的に走りだす




当たりが悪かった。うまくセカンドとファーストの間を抜けたからよかったものの…


セカンドへ走りだすために準備をしていれば、栗山監督からのサインが見えた

珍しい。基本的に私の自由にさせてくれる栗山監督はいつもはサインを出さないのに




……盗塁？

そういえば、今大会1度も盗塁してないな…



そんな呑気に考えていれば相手投手は送球を始める直前だった




気配を消して、即座に走り出す。すばしっこいように見られがちの私だが50m走は最速で7.9秒

一般女性の方では早いかもせれないが野球界の中では決して早くはないのだ


それでもなぜ高校時代盗塁100%だったか…簡単だよ。気配がないから



【現在、ノーアウト一塁…え、に、二塁!?有明選手い、いつの間に盗塁を!!】


両国のベンチの選手たちも、盗塁サインを出した栗山監督自身も驚きを隠せずにいた



A『そんなに驚くことじゃないよ笑』




気配を消す方法は小さな子供の浅知恵がもとになってる。いじめっ子たちを倒すために何かに擬態するみたいなイメージから始まった



A(翔平はもう覚えてないかもなぁ…よくこれでイタズラもしたんだけどなぁ〜)








懐かしく過去を振り返りたかったが、試合に今は集中することにした

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