。 ページ31
薮side
いつもの曲がり角で寂しそうな後ろ姿を見たら我慢できなかった。
伊野尾が振り返った瞬間にキスをした。
それは想像よりも甘くて柔らかかった。
でも、次の瞬間伊野尾は膝から崩れ落ちた。
｢っ、…伊野尾っ！？｣
｢……ごめ、｣
｢どうした？大丈夫か…？｣
｢なんか、…目の前がちかちかする……明るくて、目がくらくらする…｣
もしかして……！！
｢伊野尾、これとこれ違って見える？｣
俺が指さしたのは葉の形が全く一緒な紅く色付いた葉っぱと茶色の枯葉。
俺が思ってる事が正解なら違って見えるって言うはずだ。
｢…ちがう。｣
｢……！！伊野尾！！やったよ！これが色だよ！｣
｢い、ろ……？｣
｢そう、色！｣
｢これも、これも、全部違って見える……｣
｢最初に触ったのは緑色、次に触ったのは赤色。｣
｢これが、みどり……｣
伊野尾が俺と同じ景色を見ているんだと思うと、嬉しかった。
｢なぁ、伊野尾。順番逆になっちまったけど俺、お前のことが好きなんだ。出会った時から。｣
｢すき……？｣
｢うん。伊野尾のことが大切で、愛おしくて、誰にもあげたくないっていう気持ち。｣
｢それがすきっていうの……？｣
｢うん、そーだよ。｣
｢おれも、おれもね、やぶが誰かと仲良くしてるの見てたらここが、ここがね、ぎゅぅって苦しくなるの…。嫌だなって思っちゃうの。これもすき…？｣
｢んー、好きとはちょっと違うけどそれは嫉妬っていうんだよ。だけど、嫉妬するって事はその人のことが好きって事だよ。｣
｢じゃあ、おれ、やぶのことすき、なんだ……｣
｢俺たち両思いだな。｣
｢両思い……ふたりとも好き同士ってこと？｣
｢そう。だから……伊野尾、俺と付き合ってください。｣
｢おれすきとか、あいとかよくわかんないよ？それでもいいの……？｣
｢そんなの俺がいくらでも教えてやるよ。｣
｢っ、……おれも、やぶと付き合いたい…｣
｢っしゃぁあああ！！｣
｢わぁっ……｣
嬉しすぎて伊野尾を抱き上げてくるくる回ってしまった。
｢ふふっ…。やぶ、自由登校中やりたいこと見つけた！おれの知らないこといっぱい教えて…？｣
｢いっぱい教えてやるよ。毎日でも会おうな。｣
そう言って伊野尾の唇にもう一度口付ければ伊野尾はふわりと微笑んでこう言った。
“やぶに出会って世界が色付いた“
end
……………
長い……！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 311人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リッツ - リクエスト書いていただきありがとうございました！コウタが私が想像していた以上に素敵でケイも可愛くて満足です！機会があればぜひこれまでのケイとユウリの話やその後のケイとコウタの話も見てみたいです！本当にありがとうございました！ (2018年12月25日 7時) (
レス) id: 5430c3bb20 (このIDを非表示/違反報告)
琳(プロフ) - けーままさん» 初めまして！嬉しすぎるお言葉ありがとうございます！また短編集を出すことになった時に必ず書かせていただきますね(*´ω｀*) (2018年12月18日 20時) (レス) id: 026b9e0272 (このIDを非表示/違反報告)
けーまま(プロフ) - はじめまして。お話の更新楽しみにしていました。最後のお話とても好きでした！！その後が読みたいです(*´ω｀*) (2018年12月18日 18時) (レス) id: ec2812ad48 (このIDを非表示/違反報告)
琳(プロフ) - リッツさん» 初めまして(*´ω｀*)素敵なリクエストありがとうございます！これからもよろしくお願いします (2018年12月12日 18時) (レス) id: 026b9e0272 (このIDを非表示/違反報告)
リッツ - 琳さんにリクエストできるということでめちゃくちゃ本気で考えてしまいました（笑）琳さんの書くやぶいのが大好きです！これからも応援してます！(採用されますように…(●´人｀●)) (2018年12月9日 22時) (レス) id: 5430c3bb20 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：琳
| 作成日時：2018年9月25日 23時
