ご近所のワタナベさん。

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それから翔太さんは上機嫌で、目の前に居るのにメッセージが送られてくる。




shotaAー、

shota見てこのスタンプ。超良くない?

shotaミトコンドリアくん




本当にしょうもない会話。でも、それですら楽しく感じている。


すると、何かを思いついたように翔太さんが口を開いて。




『あ、ねえA、』




呼ばれて顔を向けると、抱き寄せられてカメラが向く。状況が理解出来ずに焦っていると、『はい、チーズ』なんて言うもんだからとっさにピースだけして。




『これ、ふっかに送っといて。』



「え、でも翔太さん、辰哉くんの連絡先…」



『いいから。コピペでいーからAから送って。』




そうやって先程撮った写真と一言が私の元へ送られてくる。



それは少し、と言うかだいぶ嬉しくなるような内容で。言う通り、そのまま送ることにした。




A [写真]

Aこいつ俺のだから手出すなよ

Aだそうです笑





その後、翔太さんのスマホに


ふっかお前だるいんだけど!わら


と来ていたらしく、爆笑していたけど。







『ねーA、もう1個、お願い聞いて』



「…なんですか？」



『やっぱ、翔太って呼んでよ。ついでに敬語も無しで』




さっきまで大声で笑っていた顔とは全く違う顔。




「…翔太くん、は、ダメですか…？」



『ふっかと一緒とか何か嫌だ。』



『…だめ？』




この人は、自分の顔の良さをちゃんと分かってるんだろうな。とつくづく思った。こんな風に覗き込むように聞かれたら、断れるものも断れない。



負けた。




「…分かった。翔太。」




やっぱり、慣れない分少し恥ずかしい。でもそれで、軽く頭を撫でられて。



『ん、やっぱその方が良いわ。』



なんて微笑んでくる。その表情にさえ、ドキッとして。





『好きだよ、A。』





唇が軽く、重なったんだ。





. fin .

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