ご近所のワタナベさん。 (ページ25)

今日:5 hit、昨日:14 hit、合計:258,262 hit

24 ページ25

.

「何でこんな時間に外に『何でこんな遅いの』

…え、」

『だから、何でこんな時間に帰ってきてんの？』

「…残業、してて、」

私の疑問には耳を貸してくれないらしい。

自分だって、夜どころか朝にしか帰ってきてないのに。

でも、いつもより声の低い翔太さんに押されて素直に答えてしまう。

と、何が気に障ったのか強い口調で怒り始めた。

『…は？残業って。危ねぇだろ、この時間までかかって、1人で帰ってきて。残業が悪いとは言わねぇけど、もっと早く終われなかったわけ？しかもその袋、呑気にコンビニまで寄ってさぁ。』

ごもっともな話だ、仮にも女、まして一人暮らしの私が夜な夜な呑気に出歩くなんて不用心。

謝る間もなく責められ、しかもそれは全て私に非がある事。言い返す言葉もない。

そのまま勢いに押され黙り込んでしまう。

『朝も何か様子変だったし、帰って来て落ち着いてたら話聞こうと思って訪ねたらまだ帰ってねーし、外見てても全っ然帰ってこねぇし。

どんだけ俺が心配したと思って…

え、』

「え、あ、いや、…ごめん、なさい、」

気付けば、右の頬が濡れていた。

泣いていたらしい。

言われている意味は分かるのに、理解出来ているのに、飲み込めなくて。

朝変だったのはあなたのせいだ、って言いたくても口に出せない。

心配されてる事も、怒られていることもよく分からない。ましてや、わざわざ私の部屋を訪ねて、待っている意味だって。

何で、待ってたんですか。

そう聞けたら、全部解決しますか、？

.