ご近所のワタナベさん。 (ページ22)

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『はー、思ったより長居しちゃったなー！』

帰り道。気付けば空はもう赤く色づいていて。

手には辰哉くんが取った大量の景品。

私の好きなキャラのぬいぐるみから、キーホルダー。好きなお菓子まで、本当に全部取ってくれて。

結局送ってまで貰って、まさに至れり尽くせりだ。

「もう本当に！ありがとうございます！」

盛大に感謝を伝えるしか出来ることは何も無くて、ひたすらにお礼を言う。

『ん、どういたしまして。

あ、ねえAちゃん、携帯出して。』

「…？はい、」

そう言って言われるままに取り出すと、向けられたのはQRコード。

『連絡先。交換しとこーよ。遊び相手が欲し〜って時に呼び出していいから。

あ、恋愛相談でもいーよ？』

「なっ、」

多分、全部悟られているんだろう。が、いざ言われると少し恥ずかしい。

でも正直、今日一緒に過ごしてくれた事にとても助けられた。

そのまま追加をして、頭を下げたスタンプを送る。

「…ありがとうございます」

『ん。やったー、AちゃんのLINEゲットー！』

そうやって騒ぐ辰哉くんに釣られて私まで笑顔になる。

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『じゃ、俺はこの辺で。』

気付けばもう、住んでいるマンションのすぐ手前。我が家に新しく増えるぬいぐるみを受け取って、もう一度改めてお礼をする。

「はい、ありがとうございました！」

『ん、じゃあね〜』

辰哉くんを見送った後、出来るだけ隣の部屋を意識しないように、部屋に入った。

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