7人に愛されて ページ9
メンバー1「すげーよ、あいつら…」
さっきとは正反対の暗くて重い空気の中で、誰かが口を開いた。
…まあ、無理もないか。
高橋兄弟は桁違いに速い。
申し訳ないけど、ここにいる人たちとは比べ物にならないくらいに強い相手だ。
…まあ、ここにいる人たちって言っても、拓海を除いて、だけどね。
メンバー2「レッドサンズに張り合おうなんてムリだよ…」
メンバー3「けど地元が逃げる訳にもいかねーだろ…やると言ったらやるしかねーよ…」
このままでは埒が明かないか…。
A「…あの、今日はもう遅いし明日にしませんか?私も出来るかぎり勝つ方法を考えてみます」
メンバー1「Aちゃんが言うなら、そうしようか…」
池谷「ああ。また明日考えよう…」
そうは言うものの、何を考えようって言うんだ…。
実力がギリギリ足りないくらいならまだしも、本格的な交流戦でいきなりレッドサンズなんて、ライオン相手に兎が挑むようなものだ。
帰りの車の中で、重い空気の中池谷さんが拓海と樹の二人に話す。
池谷「走り屋って負けずギライ奴が多いんだ。地元で挑戦されたら、逃げる訳にはいかないんだよ…」
池谷さんが話している事は痛い程分かる。
だから私も精一杯の事をしなくちゃならない。
えぇぇ、でも何ができんのかなぁ私に……だってレッドサンズだよ?高橋兄弟だよ?無理じゃんね((
A「あ、そうだ拓海。今日もお願いね」
拓海「ああ、分かってるよ」
寝る間もなく大変だなーと思いながら、小声で話す。
それ以降、このメンバーで一緒にいるとは思えないほど静かな時間だけが続いた。
そしてまた、早朝がやって来た。
もしかしたらまだいるかも?なんて、淡い期待を抱きながらいつものように配達について行き、今は無事届け終わったところである。
やっぱそうそう出くわすもんじゃないよなー、と、思っていたら。
「…あれ?」
拓海「ん?…あ、さっきの…」
帰りの下りで、それっぽい車を見つける。
一台目はすっと抜ける程度だったが、暫く行くと…
「ラッキー!ねぇ拓海、かるーくちぎってやんなよ、あの“FD”」
拓海「?良く分かんねーけど、帰ってちょっとでも寝てぇしな…。しゃーね、ちょっと飛ばすか」
──豆腐、のっけてねぇしな。
ちょっと本気を覗かせた拓海は、見事な慣性ドリフトを決めてFDを抜いてしまった。
うんうん、これは面白いことになりそうな予感がするね!
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璃央(プロフ) - 更新して下さるのをお待ちしてます! (2021年9月27日 1時) (レス) @page19 id: 14bf31e43a (このIDを非表示/違反報告)
ナナシノカオナシ - すっごい続き気になる!もう何年も前の作品ですが、気長に更新待ってます! (2021年1月28日 15時) (レス) id: 73372216ee (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています!更新停止状態のままですが更新はされるのでしょうか? (2019年10月19日 13時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になってます!もう更新されないのでしょうか? (2018年12月14日 18時) (レス) id: 6124a9987a (このIDを非表示/違反報告)
七夕☆ - 拓音さん» そう言って頂ける私って何て幸せ者なんd(((ありがとうございます!!頑張ります!!! (2016年8月17日 10時) (レス) id: 09ed2197b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:煕流 | 作成日時:2016年3月24日 22時