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いつも通りの朝
豊凡くんと一緒に出る幸せ。
手を繋いで、お揃いのジャケットを羽織って、
こんな 「ありきたりの幸せ」をずっと過ごしていたいのに。
許 「_______Aどうしたの?」
見てしまった。いや、見られてしまった。
私の異変にすぐ気づく豊凡くん。
思わず左手で私の瞳を隠す。
許 「僕、気づいた。ここから離れよっか。」
うん、と軽く頷くといつもとは逆の方向に歩き出す。
目の前に、柾哉さんがいたの。
その顔はどこが切なくて、私をまだ追い求めていた顔だった。
許 「もう柾哉さんはAの事追いかける事はないよ」
『なんで、?』
許 「_______なぜなら、僕がいるから」
そう言って、そっと抱き寄せてくれる大好きな人。
『嬉しい』
許 「僕も。仕事頑張ってね。我爱你( ◜ᴗ◝)」
一緒にいるだけで、こんなにも幸せになれる。
豊凡くんの隣にずっといたい。
でも背後が怖くてつい後ろを見てしまう。
追いかけてんじゃないか、って心配になる。
挙動不審になっている私をきっとあの人は狙うんだ。
そんな予感は的中してしまった。
柾哉 「______________A」
背後、ではなく私の目の前に現れた。
大好きだった、貴方。
『……もう逢いたくなかったのに』
そう言って横を通り過ぎようとした時、右手を握られた。
柾哉 「俺、やっぱAの事好きだよ」
『聞きたくない』
柾哉 「A」
『私の前に……現れて欲しくなかったです。
柾哉さん、の事はもう好きになれないんです……』
本当は、好きだって、ちゃんと言えたらいいのに。
柾哉さんより、守ってくれる優しい人がいるから。
柾哉 「俺は……」
『_______これで終わりにしましょう、私達』
そう言い残して私はその場を去った。
これで良かったんだ。
綺麗さっぱりこの恋は終わったんだ。
未練なんてない。後悔なんて絶対しない。
私の中で、木村柾哉という人のデータを全て消して、
何も無かったかのように日常を過ごせばいいんだ。
そんな事、出来ればいいのに。
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Rin(プロフ) - 関節からシークワーサーさん» ありがとう凄く嬉しいお♡モチベ上がるわまじ最高 (2022年1月26日 22時) (レス) id: 16fca15840 (このIDを非表示/違反報告)
関節からシークワーサー - めちゃめちゃ面白いお❤︎ (2022年1月26日 22時) (レス) @page6 id: 676ee1f579 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Rin | 作成日時:2022年1月22日 10時