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それから、結局その事は時と共に忘れ去られ、宮侑とは普通に話す。

友達に、東京で開催されるというバレーの全国大会を見に行かないかと誘われる。
どうせもう就職決まってて暇だし、就職したらそうそう東京なんて行けなくなるから旅行しとこ、くらいの気持ちで行くことにする。

いちおう学校行事なんでタイムテーブルは先生が決めてるんだけど、試合見て興奮して、ばっくれてひとりで観光に行く。

東京はかつては地元だったワケだけど、こうしてじっくり見るのは初めてで、面白い。

バレーの試合も含めて、凄いもの、憧れるものたくさん見て、楽しかった高校生活にしょぼくれかけてた野心がぐわんと復活する。


地元に帰って翌日、先生に呼び出し食らって学校へ行ったら、帰りに廊下で休憩中の宮侑にばったり会う。

「お前、予定バックレたらしいやん」
宮侑は愉快そうに笑う。

へらへらしてる宮侑の胸をこつんと叩く。
「宮侑、お前めちゃくちゃ凄かったよ」
じっと目を見上げれば、宮侑は訝しげにこっちを見下ろす。

「絶対負けねえって思った」
にやりと笑えば、宮侑は少し眉を寄せる。

「何もしないまま終わってたまるもんかよ」
鞄から取り出した書類をばんとつきだす。

「何やそれ」
「警視庁のパンフだよ」
「そら見たらわかるわ」

宮侑は不機嫌そうに、「なんのつもりや言うとんねん」と眉を寄せる。

「私、地元の就職蹴って来年警視庁受ける」

東京から帰って、私は色々考えた。
私にしかできないこと、私にできることって何だろう?

私には飛び抜けた能力も才能もなくて、私がこれまでしてきたことは、それに悩んであがくことだけだ。

ならば、私にできることは、そうして悩みあがく誰かを助けることではないか?

東京には、夜、制服姿でうろつく学生が多くいた。
きっとあの中には、私のように悩む誰かがいるんだろう。
それに寄り添って、正すことが、私にはできるのではないか?

もしかしたら、それは私以外の誰かにもできるのことかもしれない。私にしかできないことなんて、ないかもしれないけれど、それでも、

「私は、足掻きたい」

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百花(プロフ) - なんかすごく納得してました...w侑くんはこういうクズであって欲しいと願います。めっちゃ面白くて読みやすくて勉強の息抜きになりました!!!ありがとうございます!!! (2020年5月30日 21時) (レス) id: b1b417a31e (このIDを非表示/違反報告)
ちい - なんかめっちゃ好きでした!(語彙力) 最後の考察とかほんとに、あああぁ....ってなりました← (2020年4月28日 2時) (レス) id: 51140f54c4 (このIDを非表示/違反報告)
ほむら(プロフ) - ocean。さん» あざす!!イイっすよねーこういう系のクズ!!布教に成功したようで何よりです!! (2020年4月26日 17時) (レス) id: 0a7e2af83c (このIDを非表示/違反報告)
ほむら(プロフ) - ユンさん» あざす!!拙い考察ですがお褒めにあずかり光栄です!! (2020年4月26日 17時) (レス) id: 0a7e2af83c (このIDを非表示/違反報告)
ocean。 - 今まで割とクズな侑くんとか甘々なのとか見てきてたけど、こういうクズっぷりは初見でした!笑 でもなんか、イイですね。((語彙力 最後のキャラ考察もじっくり読んじゃいました笑 面白かったです!! (2020年4月25日 20時) (レス) id: 4e3b658941 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ほむら | 作成日時:2020年4月22日 8時

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