▽▲ 寝ても覚めても 4 ▲▽hkin,inhk

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ネオン街から6駅先の、駅からほど近いマンション。彼の住まいであるそこは、お洒落すぎない外観が心地いい。


エントランスを抜け、玄関に入るなり俺はシュウさんの背中に抱きついた。
経験上、家に着く頃には相手も俺も我慢できなくなっているから、今までこれをやって俺を玄関で抱かない男はいなかった。

シュウさん、ウエスト細いのに背中はしっかりしててたまらない。

うわぁ俺、本当にやばい人に買われちゃったなーー！！…と、興奮する俺の気持ちとは裏腹に、回した腕をするりと解かれた。



「えっ？」



シュウさんはそのまま振り返ることなく廊下の奥に進んでしまって、ぽつんと玄関に取り残された俺。

少しして洗面所らしきところから出てきた彼は、俺を見て「何してるの？」と一言。



「あ、えっと…」

「…あぁ、洗面所ここだから、手洗いとうがいしてね？」

「…」



…あ〜、そうか！わかった！
シュウさんはちょっと潔癖なのか！

焦った焦った、この俺の誘惑に絆されない人がいるのかと思っちゃったよ。


靴を脱いで上がり込んだ先、例の洗面所はめちゃめちゃ綺麗にしてあって、やっぱり潔癖なんだな！と納得。

気を取り直してリビングへ向かい、キッチンで何やら忙しく動いているシュウさんに見せつけるように上着を一枚脱ぐ。



「なんか、汗かいちゃったかもぉ…」



首元が広いTシャツから、散々えっちだと言われてきた鎖骨を意図的に見せると、驚いた顔をしたシュウさんがキッチンから出てきてくれて、あぁやっと！とソファに押し倒される気満々で目を瞑ったのに。



「…あ、あれ？？」



足音は俺の前を過ぎ去り、目を開けたら誰もいないかった。

戻ってきた彼の手には、タオルと着替え。



「汗かいたんなら、先、お風呂入ってきちゃいな？これ使っていいから」

「あ、ハイ…」



またもや俺の作戦が効かない…？

いやいや、そんなわけない。
俺は今まで何回も今日みたいなことをしてきてるんだぞ。十中八九、抱かれてきたんだぞ！？


疑問だらけの頭を整理するようにシャワーを浴びた。

…そうだ、潔癖なシュウさんが風呂に入れって言うってことは、つまりイコールそのあとのえっちは確定じゃん！！


ほっと安心したら、あれこれ邪な考えばかり浮かんできて、単純すぎる自分に呆れる。けど、ま、そんなことは今どーだっていいの。

むふむふ、あらぬ妄想をしながら入ったお風呂はさすがにのぼせそうになった。

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