▽▲ 寝ても覚めても 2 ▲▽hkin,inhk (ページ28)

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「ひかるだいじょぶぅ？食欲ある…？」

「ん…薬、飲みたいから…何かお腹入れなきゃだけど…」

「あたしつくるよ！！」

「…え」

いや、え～こわ…
いのちゃんに台所立たせるの怖ぁ…

「…やっぱコンビニで、何か買ってきてくれない…？」

「なんでよぉ！つくらせてよぉ！信用してよぉ！」

「うっ…」

信用してないのバレた。
まぁ…慧は普段作らないだけで、別に下手ってわけじゃないからな。

「…じゃあ、おかゆ…」

「おかゆね、わかった！がんばるから！！」

「うん…笑」

慧は私のこと過保護だっていうけど、慧だってよっぽど私に過保護だと思うよ。

普段あんなにテキトーだから、いざという時にこうやって私のために必死になってくれてるのを見ると、愛されてるんだなって思う。

いつも感じてないわけじゃないけどね。こういう時はいつも以上に思うから。

「ひかるできたよっ！」

想像してた以上に美味しそうなおかゆをニコニコしながら持ってきた慧。

この前私があーんしてあげたのが相当良かったとかで、今度は慧が食べさせてくれるらしい。

スプーンに一口分すくって…
…え、なんか伸びてるんだけど。

「えっコワッ何入ってるのこれ」

「え、あ、なんか体に良さそうな…その、乳製品入れた方がいいかなっておもって…」

「……まさか」

「なんかぁ、高そうなチーズあったから…」

やっぱりーーー！！！こんど使おうと思って隠してたパルミジャーノじゃん！！なんでおかゆに削った！？

呆れが顔に出たのか、慧は慌てて弁解してる。

「あ、あのね？ほらぁ、そーゆう食べ物あるじゃん？」

「……リゾット？」

「そうそれ！おかゆっていっても、オリジナリティ必要だと思うし」

えへへ、と首を傾ける。
かわいい…かわいいけどぉ！！

そもそも普段料理しないのになんでオリジナリティを出そうとするかな。

「だいじょーぶ！！おいしいよ！ね！食べてみな！」

そこじゃないし！！

あ～、高かったのに…
…まぁでも必死に作ってくれた故だと思えば。

「あ、待って、ひかる猫舌だよね？ふーふーする」

一口分を丁寧に冷ましてくれて、口元に運ばれる。

「はい、あーん」

「あ…む、、」

「……どお…？」

おかゆとは思えない高級な味がする。

「…うんっ、おいしいよ」

「ほんとぉ？よかったぁー」

病人のご飯じゃない気もするけど、普段料理しない割に味は上出来かな。