▽▲ 寝ても覚めても 2 ▲▽hkin,inhk (ページ1)

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言葉はいらない hkin ページ1

▽ふつ～のいのひか。
hkinという表記さえいらないかもしれん(？)

バベルの街、天才かよ。

全いのひか担が思ったであろう6月某日。

あのフレーズ、いのひかっぽくてとてもいい…

そんな思いから書き始めたはいいもののなかなか完成しなかったお話。なんとかまとまりました。

・

*

“きっとバベルの街でふたり出会っていても”

“僕らは恋に落ちただろう”

「バベルね、…バベルってなんだろうね」

「ギャル語なんじゃない？」

ラジオではあんな風に言ったけど、本当は知っていた。

ただ、きっと調べてわかった方が面白いから言わなかった。
そんなのは現実的にありえないけど、あの歌詞の意味をふたりだけのものにしたかったのかもしれない。

でもあの時だって確かに、俺とひかるは『言葉』以上の何かで相手を理解して、あの歌詞の意味を2人の中に閉じ込めたんだ。

・

コロナのせいで発売がたいぶ遅れて、曲自体のお披露目も遅れたわけだけど、レコーディングは2月の時点で終わっていて。

「きっとバベルの街で…」

「…ふふ。いいよね、バベル」

「バベルね」

久しぶりにもらった2人だけのパートは、俺がハモリでひかるが主旋。

歌詞が印象的で、レコーディング後もよくひかるは口ずさんでいた。

「バベルって、なんだろね」

「んー…俺もなんかニュアンスで歌ってたわ」

きっとこの世界とは違う異質な世界で出会っても、2人は恋に落ちたはず…とか、そんな感じだと思ってたけど、2人とも本当の意味は知らなくて。

手元のスマホで何気なく検索をかけた。

「…ふーん。バベルって街はないみたい。バベルの塔のバベルからきてんのかな」

ほれ、って見せたけど光はよくわかってない顔をした。

「俺も詳しくは知らないけど…人間が天界に近づきたくて天に届くような高さのバベルの塔ってのを建てたけど、神の怒りに触れて結局壊される…みたいなさ、」

「そんなあるんだ」

「実際の話じゃないだろうけど。
…あー、語源はちゃんとあるんだ、“ごちゃ混ぜ、混乱”だって。バベルの意味」

ふーん、へぇーって1人納得してたら、横でそわそわしてるひかる。
はいはい、俺にわかるように説明しろってね。わかってますよ…