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いつもそうだが、慧は基本的にネガティヴだ。
「こんな姿」「こんな言葉」「こんな想い」
いつでもそうやって、本心を少しだけ隠してしまう。
「…ね、お願い。顔上げてよ」
「むりっ…」
こうなると意地でも上げない。
慧の基本的な性格は、よくわかっているつもりだった。
それでも、直接気持ちを伝えていなかったことに慧が不満を感じていたと気づくことができなかった…という今日のことに関しては、まだまだだな、と思った。
俯いて泣き続ける慧に、困ったなぁと眉を下げながら…
光はひとつ息をつく。
「いのちゃん、」
「だから、やだって……っ！？」
俯きながら答えた慧の唇が、下からすくいあげるように奪われた。
驚きで目を見開いた慧には、大好きな恋人の大きな目がゆっくりと開いて、綺麗な二重がゆるく弧を描く姿がしっかり映った。
まるで、してやったり、というような目。
俯いていた顔はいつしかしっかりと前を向いていて、ゆっくりと唇が離れていく。
わけもわからず顔を真っ赤にしている慧に、光は正面から向き合った。
「いのちゃん、好きだよ。だから、心配しないで？」
「〜っ、お、まえっ…ばかっ…」
「んー？」
まだ涙の残る顔で真っ赤になっている慧は、先程よりだいぶ力の弱まったクッションを光にぶつけた。
それが可愛い恋人の照れ隠しだということを光は知っている。
「言葉はやっぱり必要だよね」
「〜っ…」
「今度からちゃんと伝えるね、」
「うるっさ…もう、黙れよいっかい…！」
「今まで言い忘れてた分、全部言ってあげる？」
「おまっ…ほんとばかなの！？」
照れると口が悪くなる恋人にクスクスと笑いながら、光は続ける。
「…泣かせてごめんね？大好きだよいのちゃん、」
「〜っ、も、いいってば…！」
わかったから！！と未だに顔を真っ赤にしている慧が可愛くて、また少しだけ意地悪をしたくなる。
「俺だって、もっと別の言葉聞きたいんだけど」
「えっ…」
「別の言葉」
わかるでしょ、とでも言うように首を傾げれば、
「〜っ、……おれ、も、好き、、」
辿々しく、蚊の鳴くような小さな声で応えてくれた。
それがまた、愛おしい。
2人の間に言葉はいらない。最近ではそんな場面も増えてきた。でも…
言葉にするのもやっぱり大切。
涙と照れた顔をみて、そう思えた昼下がりだった。
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みつあめ(プロフ) - ぱにきゃにさんへ:コメントありがとうございます！とても嬉しいです。同じく、お隣なだけで有頂天になれるいのひか担です(*´ `*)同志さん大歓迎ですので、ぜひぜひ楽しんでいってくださいね。 (2021年8月3日 21時) (
レス) id: 19e769908e (このIDを非表示/違反報告)
ぱにきゃに - いのひかが隣同士なだけでわいてしまうどうしようもないいのひか担です。いのひか担とあまり出会えなくて、みつあめさんがいのひかが好きだと知り嬉しくてついコメントしてしまいました汗 (2021年8月3日 19時) (レス) id: 0875e1e998 (このIDを非表示/違反報告)
みつあめ(プロフ) - ino22さん» コメントありがとうございます！いのひかの絡みって面白いし可愛いし癒されますよね〜！手探りで書いているので、褒めてもらえて嬉しいです。甘えたな伊野尾さんをもっと書いてみたくなりました♪ (2020年10月27日 22時) (レス) id: 19e769908e (このIDを非表示/違反報告)
ino22(プロフ) - 私も慧くん担当なんですけど、いのひかのラジオとか絡みとかめちゃ好きで慧くんが光くんに甘えてるの見るのが夢だったので叶えてくださってありがとうございます！笑毎週土曜日ほんとに幸せなんですよね〜！これからも話書くの頑張ってください！ずっと見ます笑 (2020年10月26日 0時) (レス) id: 4477761edb (このIDを非表示/違反報告)
みつあめ(プロフ) - teentitansthemeさん» コメントありがとうございます！嬉しいです〜！ほんと、可愛くて大好きです 笑 拙い文章ですが、これからもよろしくお願いします…！ (2020年7月12日 18時) (レス) id: 19e769908e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みつあめ | 作成日時：2020年7月5日 3時
