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「あ、団長？」
仲間に内容を聞き取られないよう会場の片隅で電話をするシャルナークは、今まさにクロロと話している最中であった。
「Aちゃん、いたんだ」
『会場に、か？』
「うん」
そうか、と相槌を打つクロロの反応はどうやらシャルナークの予想とは違ったらしい。シャルナークはつまらなそうに唇を尖らせた。
クロロの鋼よりも頑丈そうな理性はなかなか壊せないようだ。流石は上に立つ者である。ここは立場の下の者から素直に折れないとこれ以上話は展開されない。
「それがさ、オレ、能力見ちゃったんだ。壁をすり抜けたっていうか、扉以外の場所から自由に出入り出来る能力みたい。一瞬のことだったから詳しくは分析しきれてないんだけど。……団長、この能力、ちょっと便利じゃない？」
『ああ。……彼女は今どこにいる？』
「いやぁ、逃げられちゃった。……フェイタンにでも頼もうか？」
反射神経の良さと圧倒的移動の速さ、そして拷問で情報を吐かせることに長けているのがフェイタンだが、恐らくAに拷問は通じまい。
『いや、いい』
というより、本当に欲しいものは自分で奪ってこそだ。
『迂闊に近付くなよ』
「了解。団長のものに手は出さないよ」
すると画面の向こうでクロロの呆れた溜め息が聞こえてくる。
『そうじゃない。賞金首ハンターだから、だ』
一々恋愛を関連付けようとするとは中学男子か、と電話を切ったあとにもう一度溜め息をクロロはついた。
旅団には好戦的な強者が数人いる。例えば先程二人の会話に出てきたフェイタンなんかがそうだろう。しかし旅団には、性能のいい能力を持っていても戦闘に向かない非戦闘員もいる。
もしもそんな非戦闘員がAに出会したら。
Aと直接会っているクロロは悟っていた。
Aも戦闘にはあまり向かないが、Aより弱い団員がいることを。
*
そんな話がされていたとも知らず、廊下側へ逃げたAは、まだ道を取り消さなかった。
寧ろ新たなる道を会場内部につくり続け、標的なる人物への攻撃を図っていたのである。
会場を殺戮現場に変えた実行犯は司会の二人以外にもいたのを目撃した。というか女が掃除機で人を撲殺、死体の証拠隠滅をする瞬間を見ていたのだからまず断言できる。
Aはその女を狙った。
銃を女めがけて撃つ。
弾丸のみが通れるようにした架空の道を走る弾は、そのまま女の腕をゴールテープのように突っ切った。
そして瞬時に反感を買ったのがわかる殺気がAに牙を剥いた。
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久我(プロフ) - 藍琉さん» はい、覚えてます！こちらも読んでくださりありがとうございます！そうですね、夢主のタイプによって親近感の湧き具合は異なりますからね〜。私もシャル側です笑 こちらが終わり次第フェイの方の再スタートを切るのでフェイ夢はもうしばらくお待ちください>< (2016年8月10日 13時) (
レス) id: 11983860b6 (このIDを非表示/違反報告)
藍琉 - 以前フェイの作品を読ませていただいていたものです。此方の作品も読ませていただきました！今回わりと客観的に読んでいるせいか夢主よりクロロやシャルに共感することが多いです(笑)もう少しで完結するようですが、続編を楽しみにしております。 (2016年8月10日 11時) (レス) id: d2e4b0bb58 (このIDを非表示/違反報告)
久我(プロフ) - めこさん» めこさん、こんにちは！はい、私もまだクロロが書けるとなると嬉しいです！これから続編を作成しようと思っているところですので、続編でもよろしくお願いします(´∀`*) (2016年8月10日 10時) (レス) id: 11983860b6 (このIDを非表示/違反報告)
めこ(プロフ) - 続編決定おめでとうございます！久我さんの小説大好きなので続編と聞いてとても嬉しいです。これからも頑張ってください！ (2016年8月10日 9時) (レス) id: 89a16ac7e5 (このIDを非表示/違反報告)
久我(プロフ) - キャンディさん» これからもキャンディさんに楽しんでいただけるような文章を書いていきたいと思います。今回はありがとうございました！ (2016年8月10日 7時) (レス) id: 11983860b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：久我 | 作成日時：2016年7月23日 22時
