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「A、泊まる場所はもう取ったか?」
「いえ」
そう言うとクラピカは持っていたルームキーをAに差し出した。
「私は別の場所に泊まる予定だからここは使ってくれ」
そもそも話をするために取ったから、とクラピカ。
「昨日の時点では今日のこの時間帯は空いていたんだが今朝急遽仕事の予定が入ってな。すまない、私はもう行く」
「あ、じゃあ1つだけ一応確認するわ」
「なんだ?」
「標的を複数見つけ次第連絡する、相手が苦戦していたら援護する、当日はそんな感じでいいのよね?クラピカ、あなたのことだから個人のが動きやすいでしょうから」
つまりは同盟のようなものを組んでも、連携はとらない関係でいいのかと確認するAにクラピカは頷いた。
「ああ」
何かあったら連絡をする、と言ってクラピカは呆気なく部屋を出て行った。その呆気ないところがクラピカ独特である。冷たいわけではない、でも冷たく捉えられかねないのが彼だ。
まともに話し合えないまま終えたもので、何をしに来たのかもよく分からない形になってしまったが。
しかしクラピカがいなかろうがA一人でも頭は十分に回る。クラピカと共に考えれば更に事は2倍速で進むだろうが、2倍速なんて恐ろしい数値は然程必要でもない。
Aは一人で使うにはもったいないほど大きな部屋を満喫しながら行動案を練る。
クラピカとの話の続きを再開させた。
旅団も盗むためには中に入るのが絶対条件、までは話した。風変わりな能力者がいない限りは、だけれど。だから開場内部にいた方のが動きやすいというのも想像つく。
まずは通行証なり必要なものを揃えるか、とAも立ち上がり、それを手に入れようと部屋を出た。
開場に入るのが前提だとしよう。
そこからどうする。開場に入り競売にも参加するとなるとドレスアップをしなければならないだろう。非常に動きにくいが周囲を監察するには丁度いい。異変に気付けばそこから行動できる。
一方で開場に入り、裏舞台に忍び込むこともできなくはない。“絶”よりも厳重なルイの能力があればどうにかなるだろうが、旅団との遭遇時、能力解除に時間がかかりリスクも伴う。
さてどちらがいいのだろう。慎重に行くか、ギャンブルに挑むか。
決めるにはもう少し見当をつけてみないとわからない。
何を?
決まっている。どんな念能力者がいると予測できるか、だ。
もし自分が盗賊であったらどんな能力を使うだろうとAは考えた。
13人分の能力が存在するならば一体__。
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久我(プロフ) - 藍琉さん» はい、覚えてます!こちらも読んでくださりありがとうございます!そうですね、夢主のタイプによって親近感の湧き具合は異なりますからね〜。私もシャル側です笑 こちらが終わり次第フェイの方の再スタートを切るのでフェイ夢はもうしばらくお待ちください>< (2016年8月10日 13時) (レス) id: 11983860b6 (このIDを非表示/違反報告)
藍琉 - 以前フェイの作品を読ませていただいていたものです。此方の作品も読ませていただきました!今回わりと客観的に読んでいるせいか夢主よりクロロやシャルに共感することが多いです(笑)もう少しで完結するようですが、続編を楽しみにしております。 (2016年8月10日 11時) (レス) id: d2e4b0bb58 (このIDを非表示/違反報告)
久我(プロフ) - めこさん» めこさん、こんにちは!はい、私もまだクロロが書けるとなると嬉しいです!これから続編を作成しようと思っているところですので、続編でもよろしくお願いします(´∀`*) (2016年8月10日 10時) (レス) id: 11983860b6 (このIDを非表示/違反報告)
めこ(プロフ) - 続編決定おめでとうございます!久我さんの小説大好きなので続編と聞いてとても嬉しいです。これからも頑張ってください! (2016年8月10日 9時) (レス) id: 89a16ac7e5 (このIDを非表示/違反報告)
久我(プロフ) - キャンディさん» これからもキャンディさんに楽しんでいただけるような文章を書いていきたいと思います。今回はありがとうございました! (2016年8月10日 7時) (レス) id: 11983860b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:久我 | 作成日時:2016年7月23日 22時