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62_ ページ2

遠退いていく。綺麗な黒髪が、大きな背中が、長い足が、遠退いていく。

自分との距離が離れれば離れる程、クロロという存在が遠い存在になっていく気がした。放っておいたらどこかへ行ってしまうくらい、Aはあっという間に引き離されてしまっていた。

名を呼びたい。引き留めたい。まだ話し足りない。もっと知りたい。もっと触れたい。メールをしたい。素を知りたい。近付きたい。離れたくない。名を呼んでもらいたい。伝えたい。

___隣にいたい。

クロロの姿が見えなくなるその時まで、Aの頭にはクロロに対する想いが溢れていた。

失いたくない、今目先にいる彼を。

このまま別れたら絶対に失うだろう。

そう直感した時には、もう脳から命令は下らなかった。脊髄が命令した、“追え”と。

Aは人混みをいつもなら絶対にしないような荒々しさで掻き分けていく。時折周りから非難の目を向けられようともAは何とも思わなかった。名も知らぬ人達の間で評判が落ちようとも、痛くも痒くもない。

ただ今は追うべきものだけを狙って。

ようやく階段という難門を潜り抜けたかと思いきや、クロロの姿は見当たらなかった。

でもまだ遠くには行っていないはず。

強い信念をもった、冷静で知的で、少し温かく、そして少しの冷酷さをも持つあのオーラを探せ。

本能のままにAはクロロの残していった気配を辿ると、クロロの姿は既に外にあった。

「クロロッ!!」

Aはこれまでにないくらい大きな声でその名を呼ぶと、クロロは進む足を止めて振り返る。

「待って……!聞きたいことと聞いて欲しいことがあるの」

はぁ、はぁと呼吸を乱しながらクロロの元へ歩み寄るAは、走り疲れて呼吸を乱したのではない。やけに高鳴る鼓動と速まる心拍数がそうさせたのだ。

あまりにこれから踏み込もうとしている領域が恐ろしくて言葉が上手く喉を通ってくれなかったが、それでもクロロの目を見てしっかりと口を開いた。

「さ、……最後って……何……?」

「それは……」

クロロは途中で言葉を止める。使う言葉を選んでいるのか、だがそれがAを焦らすように動いている。
窒息してしまいそうなくらい、不安という名の海に溺れていた。

「そのまんまの意味だよ。オレ、次の仕事終わったらこの近くに多分いないから」

「そう……。じゃあ」

じゃあ。

「敢えて困らせることを言うわ。私はクロロが好きよ」

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久我(プロフ) - 藍琉さん» はい、覚えてます!こちらも読んでくださりありがとうございます!そうですね、夢主のタイプによって親近感の湧き具合は異なりますからね〜。私もシャル側です笑 こちらが終わり次第フェイの方の再スタートを切るのでフェイ夢はもうしばらくお待ちください>< (2016年8月10日 13時) (レス) id: 11983860b6 (このIDを非表示/違反報告)
藍琉 - 以前フェイの作品を読ませていただいていたものです。此方の作品も読ませていただきました!今回わりと客観的に読んでいるせいか夢主よりクロロやシャルに共感することが多いです(笑)もう少しで完結するようですが、続編を楽しみにしております。 (2016年8月10日 11時) (レス) id: d2e4b0bb58 (このIDを非表示/違反報告)
久我(プロフ) - めこさん» めこさん、こんにちは!はい、私もまだクロロが書けるとなると嬉しいです!これから続編を作成しようと思っているところですので、続編でもよろしくお願いします(´∀`*) (2016年8月10日 10時) (レス) id: 11983860b6 (このIDを非表示/違反報告)
めこ(プロフ) - 続編決定おめでとうございます!久我さんの小説大好きなので続編と聞いてとても嬉しいです。これからも頑張ってください! (2016年8月10日 9時) (レス) id: 89a16ac7e5 (このIDを非表示/違反報告)
久我(プロフ) - キャンディさん» これからもキャンディさんに楽しんでいただけるような文章を書いていきたいと思います。今回はありがとうございました! (2016年8月10日 7時) (レス) id: 11983860b6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:久我 | 作成日時:2016年7月23日 22時

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