【小説】貴方が悪魔として生きる日々。【募集企画】

＊何故 ページ13

【ルシア・ヴォルデゴートside】

(人間の方で有名……か……)

ま、そうだろう
虐殺の限りを尽くしてその利益は独り占め
悪名高くて当たり前だ

「しっかし行きたくないなー……誰かに押し付けられないものか……」

向かっているといつもの本屋が見えた
あぁそうだ、ルイに持っていってもらおう
中学生位だし持てなくはない筈だ

「ルイ！いるかー？」

返事はない
おかしいな……
普段なら店から出ることはない筈だが……
避難所か？

「ルイー？いないのかー？」

ガタン、と物音がした
不思議に思い扉を開けるとルイがいた
少年と一緒に

「……ルイ？」

「あっ……」

ルイは目を見開いて固まった
しかしそれは私も同じだ
少年には毛布が被せられていて、どうみても連行するための準備というわけではなさそうだ

「……どういうことだ？」

「えっと……」

目を反らすルイに私はため息をついた
どういう理由かは知らないが匿おうとしている
だが厳罰をくらったらもう本屋がなくなる
私の！唯一の！憩いの店が！

「ルイ、持てないのならば仕方ないから持ってくぞ？」

「ダメ！……あ、えっとそういうんじゃなくて……」

慌てている
たまたまというわけでは無さそうだ……
……はぁ
私は気絶している男をほっぽって座った

「っ……！」

「話は聞く。」

「え？」

「何かしら理由があるんだろ。だが私はこの店が潰れることだけは何としてでも避けたい！私が王宮に極力近づくリスクを下げるためにも今は何故匿おうとしているのか聞きたい。言うことによればそのまま持ってく。だが納得できるなら協力はしてやる。どうだ？」

「ルシア……」

ルイは茫然としていた
私は面倒事に眉間をつねった

人間の女と既視感→←店の邪魔になるだろう?

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