【小説】貴方が悪魔として生きる日々。【募集企画】 (ページ2)

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夢と本と私。ページ2

【SIDE: ルイース=プザ=リミリタス】

『ねえ…死んだら人ってどうなんのかな？』

『何？突然』

私の隣で誰かが言った。

『死んだら…無になんのかな？』

『そんなの…誰にもわかんないよ』

『私は死んだら無になるなんかヤダ。』

私の手を強く握って、その"誰か"は "横たわりながら" 言った。

そういえば何で私も横たわっているんだろう。

というか此処は何処？辺り一面真っ暗だ。

『ねぇ…』

『…何？』

『私、死にたくないッ』

『…ッ』

どうして

『私、まだ…』

『私だって…ッ！』

『！』

何で

『私だって、消えたくないッ！』

涙が止まらないの？
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「…ぃ、お…、おいッ！」

「うわああ！？」

頭に何かをぶつけられて飛び起きる。

そして "何か" の独特の香りで徐々に目がさめる。

「全く、いつまで寝てんだよ」

「ご、ごめんね、ルイちゃん」

深度5000地点に位置する『bookstore ・lullaby(ブックストア・ララバイ)』はそこそこ有名な本屋さんで、私が務めている王宮図書館も時々支援を受けている。

さっき感じたのは "本" の匂いだ。頭に乗った辞書がそれを物語っている。

「本ってなんかリラックスしちゃう気持ちは分からんでもないがなあ…」

「わ、分かってくれる？」

「でも本棚の上でうたた寝していい理由にはならない」

「うぐぅっ…」

彼女の名はルイ・イザナミ。この本屋さんのマスターだ。彼女は今現在、私を見上げ、本とペンを片手に図書の整理をしていた。

恐らく私が飛び起きたのは彼女のせいだ。

「ルイちゃん、因みに聞くけどどうやって私を起こしたの？」

「書本現(ショホンゲン)でアンタの頭に本を落とした」

「だろうと思った…」

彼女の能力は本に書いてあることや、本に書いたことが本当になる、というある意味チートな力だ。

…正直言って羨ましい。

「ほら、ぼさっとしてないで手伝う！最近は1人でやりくりするのが大変になってきているんだからな」

「こ、こき使わないでよ…っ！」

「本寄付してやってんだからいいだろ。ギブアンドテイクだ」

「ううっ」

久しぶりの休日。

どうやら私は唯一の親友にこき使われる運命だったようです。