夢の中の迷い子７ (ページ7)

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イギリスとロシアもちページ7

「……」

「くぅくぅ」

お茶を淹れて持って行くと、可愛い寝息を立てるロシアもちを見詰めているイギリスがいた。

研究所から出た私とイギリス。当たり前だが行き場のない彼を我が家に招待し、居間で待ってもらっていた。

さっきまで居間には誰もいなかったのに、ロシアもちがど真ん中まで移動してきたようだ。

「何こいつ…使い魔か？」

「ロシアもちって言うの…可愛いよね」

本気なのか？といった表情をされた。可愛いじゃん…ぷにぷにしてて。

粗茶ですがと焙じ茶をテーブルに置き、美形の隣に座る勇気はないので向かい合わせに座る。

沈黙が痛い。

何か考えているようなので、私も考える事にした。

あの眉毛が現実に存在しているという事に衝撃を受けている。

あの世界の住人はキャラクターが濃いので現実だと思えなかったんだ。夢から入った訳だし。

一番の夢と思った要因は、私が好かれている所だ。非現実的過ぎる。

「Aはさ…」

寂しそうな顔をしてイギリスが呟いた。

「好物はなんだ？」

なぜ寂しそうな顔をしたのか判然らない問いだった。

「クッキーだよ」

「そっか…」

「………」

「………」

またもや沈黙が訪れる。訊くべきなんだろうか？

夢とかネットならコミュ力が高いけど、現実ではコミュ力が低いのが私だ。良い言葉がすんなりと出てこない。

「イギ「そういえば手ぶらなのも悪いし何か買いに行かなきゃだな…どうした？」…なんでもないよ」

ジッと見られて汗が出る。指先が震えている。涙が出てきそうになる。

「…言いたい事はズバッと言ってくれて良いんだぜ？」

「あ…」

頭を撫でられて、震えが収まる。友達に気を使わせてしまうなんて…自分って本当に駄目だなぁ。

「悪い…つい」

触った事に謝られたけど、嫌じゃなかったからと言うと嬉しそうに笑った。

「………」

「………」

最初ほど沈黙も嫌じゃなくなった。…変なの。