近況報告とあれこれ ページ5
きょろきょろと物珍しそうにしているイギリスに、気になる事を訊くことにした。
「そういえば…イギリスは魔法を使って来れたんだよね?」
「ああ。とは言っても、あの魔法は一か八かの博打だったからな。発動出来るかも怪しかったから成功して良かったぜ。Aを連れて行くならそんな不安定な魔法は使いたくないな」
別世界に転移出来る魔法なんて、考えただけでも凄いことだ。複雑だろう魔法を一か八かとはいえ発動させて成功させたなんて…流石は魔法の国だ。尊敬しちゃう。
「国は大丈夫なの?」
国の擬人化なら重役として働いてるんじゃないかってイメージがあるんだけど…どうなのだろう。
イギリスはちょっと考えてから、答えてくれた。
「俺の所は大丈夫。それに、いざという時は兄貴達が居るしな」
「いいお兄さん、だね」
「…まあ、嫌な奴ではない。頼むのは嫌なんだが…でもAともう会えなくなったりアメリカ達に無理矢理されたらって思ったら、そんな事ぐらい我慢しようと思えたんだ」
「イギリス…」
明るく笑ってくれたので、ホッとした。近い距離感が苦手だって言ったら離れた所に座ってくれたし、ゆっくり話してくれるし、とても優しい人だ。
休憩を挟みながらも、少しずつ情報を与えてくれるイギリス。
美優はロシアの所に捕まっていて死なない程度にいろいろされてるとか、フランスは破壊された街を直す事に専念してて私の事は知らしてないとか…
後は北欧の人達はアイスランドさんが庇ったのできついお咎めは無しだそうだ。でもやった事がやった事なので、全く咎めない訳にはいかないとか。
「誰も教えてくれなかったな…やっぱりただの人間だし、そこら辺は信用されてなかったのかな?美優を…一回殺したとかも初耳だし」
「…いや、怖かったんだろうな」
「あ…」
「そういうのと無縁なんだろ?」
手が震えてると言われて、確かにそうだと思った。
…そっか…私が遠慮させてたんだね。
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アリス - 最高です!大好きです!応援してます!!! (2016年7月10日 12時) (レス) id: cec041efb2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヴァーニャ | 作成日時:2015年6月25日 16時