2日前 夜 ページ14
情報を集めた面々は、一旦ロシアの家にあるAの頭を見に向かった。ノルウェーとアイスランドだけはついて行くと聞かず、人数が増えた。
にも関わらず、アメリカとイギリス以外は黙りを決めているので静かだ。
「…魔力を貯める目的はやっぱり当たっていた。問題はそれを何に使ったかと言う事だな」
「大量に見つかった血はなんなんだい?」
「おそらくソレを混ぜてあの魔法陣を描いたんだ。魔力が通りやすいように。それと――争わせたのは生贄の調達がし易いようにかもしれねぇ」
「………」
イギリスの言葉にアメリカが黙る。思っていた何倍も質の悪い女だ。
ロシアの家に着き、Aの頭を箱から出して見詰める。
Aはもう既に死んでる人かもしれない。だとしたら二度と会えない?そう思いながらAの頭を撫でるロシアの姿は、仲の良くないアメリカですら痛ましく思う程だった。
アイスランドは悲しそうな顔で、静かに呟いた。
「前に愛しのお姉ちゃんに会いたいって言ってたんだ…このままだともう会えないからって…」
「愛しのお姉ちゃん…?」
アイスランドの言葉を聞いたイギリスは、首を傾げる。そして過去を遡り、何か手掛かりはないかと考える。
「それっていつ頃言ったんだ?」
「随分前だけど…あの頃は平和だったね…」
質問し、またもや考えるイギリス。ロシアは何か思い当たったのか、彼もアイスランドに質問した。
「様子が可笑しくなったのって、4回前の世界会議の時じゃない?」
「…よく解ったね」
「やっぱりかぁ。なら話は単純だね。Aがそのお姉ちゃんであり、何らかの理由でもう会えないと思っていた。でもイギリスくんが偶然魔法で呼び寄せたから、慌てて固定した。そう考えると辻褄が合うよ」
ずっと考えていたイギリスが、その言葉に何か閃いたのか表情が輝いた。
「そうか!この魔法陣は、異世界へと繋ぐ魔法陣だ!だから莫大な魔力と生贄が必要だったんだ!」
39人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アリス - 最高です!大好きです!応援してます!!! (2016年7月10日 12時) (レス) id: cec041efb2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ヴァーニャ | 作成日時:2015年6月25日 16時