賑やかな朝食 ページ6
「親分とロマーノで朝食作ってみたんやで!たんとお上がり!」
「…………」
ずらりと並べられた料理はとても美味しそうな匂いをしている。
だけど…トマトのスープはまだ良いけど、トマトのサラダとトマトが入ったサンドイッチとトマトジュースは本当に無理。生トマトが嫌いな人には拷問のようなメニューだ。
「食べないのか?お嬢さん」
ロマーノさんがジッと私を見てそう言った。気まずくてロシアを見ると、彼もまたジッと私を見ていた。冷や汗が出る。
我慢して食べると、吐きそうになった。
「Aは死ぬほど生のトマトが苦手なんだよ」
なぜ食べてから言ったのロシア。しかも良い笑顔で。ショックを受けたスペインさんとロマーノさん。なんでロシアと親友をしているんだっけ?
かちゃりと音を立てて、とてもお疲れのイギリスと日本さんが入ってくる。仕事から帰って来たばかりなのかな?スーツ姿だ。
テーブルの上を見て、私の食べてる物を見るイギリス。徐に私の分の朝食から生トマトだけひょいと取って食べた。前々から嫌そうに食べてたのを見て、私の苦手な物だとわかっているようだ。
イギリスはタイミングを計ったみたいで、スペインさんもロマーノさんも日本さんと会話してて此方を見ていない。なにこの人、紳士すぎて泣きそう。
「イギリスありがとう」
「ん?なんの事だ?」
手をひらひらして去るイギリス。礼は要らないぜって所かな?なにそれ格好いい。
「イギリスって兄貴って感じがする…」
そう思わず呟くと、アメリカが過剰に反応した。
「イギリスなんかにAの兄貴は勿体ないよ!なんたって俺の可愛い妹だからね!」
「アメリカの妹やったん?似てへんやんか」
「似てるじゃないか!この目つきが!」
「アメリカみたいな嫌らしい目つきしてへんやん」
賺さず応酬するアメリカとスペイン。なんだかコントみたい。
…食べ終えたし、こっそりイギリスの部屋に行こうかな。
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作者名:ヴァーニャ | 作成日時:2015年6月20日 13時