恐怖のかくれんぼ ページ16
「どこにいても探し出して捕まえるんだぞ♪」
愉しげに部屋を探る音がする。隣の部屋だ。声が大きいのでよく聴こえる。
「絶対に妹になって貰う。それでロシアが選んだ服なんかよりも可愛い服を着せてあげるんだ。毎日ご飯を作って貰ってお帰りなさいのキスもしてもらうんだ。国から出さないし嫁にも出さない。彼氏なんか作ったらころしちゃうかもしれないね。人間だから離れると死んじゃうから首都になってもらえばずっと一緒だよね。そうするにはどうしようかな？AHA…楽しみだな！」
あの人怖いよ！君そんなキャラだったの！？そんな人はロシアだけでお腹いっぱいだよ！
鼻歌を歌いながら移動するアメリカ。ロシアの部屋の扉が開いた。私の今居る部屋の扉が。
「どこかな？A、俺の所の方がロシアなんかより過ごし易くて楽しいよ？」
がさがさといろんな所を開け閉めするアメリカ。ちなみに時間を決めていて、１５分で終了である。まだ後７分もあるよ…怖いな。
「あんなに可愛い子はなかなかいないよ。どんな衣装も似合うよね。ヒーローの妹として控え目なのにお茶目で優しくて素直なんて満点で合格だ！」
キィィとクローゼットが開いた。奥の隅の少し適当に詰めた服の山の中に隠れているけど、確実に見つかってしまいそうだ。まだコートをがさがさしていないので、触りたくないのかもしれない。ロシアのことが苦手みたいだし。
壊れそうな心臓を抑えてじっと息を潜ませる。服を巻き付けているとはいえ、絶対見つかる。
コートごと中身を全て一気に外に出された。ああ。
「みぃつけた」
私を服ごとクローゼットから引きずり出した彼は、そう言ってニヤァと笑った。やはり見つかってしまった。
彼に向けて拝借したイギリスの下着を投げつけると、彼が怒ってしまった。でも止まったのでその隙に逃げる。すると、背後から破壊音がした。
「絶対に捕まえるよ、俺の妹」
目の据わったアメリカ降・臨。
だ、誰か助けてー！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 33人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ヴァーニャ | 作成日時：2015年6月13日 18時
