イギリスの手作りスコーン ページ16
「どうしたんだ?あ、もしかして温めたばかりで熱いし冷めてから食いたいのか?」
「え…あ…う…」
「そっか。なら紅茶のお代わりは要るか?」
「はい、お願いします」
どどど、どうしよう!
温めたばかりで熱いとか言ってるけど、あれ光ってるよ!?てか、燃えてる!?何かしらの善良な魔法が掛かってるのわかるけど、見た目と匂いが邪悪すぎる!地獄が具現化してしまったようなスコーン?だ。
スコーンとは一体何だったのだろうか。お菓子だった気がするんだけど、拷問用の道具とは思わなかった。
いや、でもお詫びって言ってるし、食べないの?って翠色の可愛いおめめがキラキラきゅるるんと見詰めているし。素敵な男性にあんなに期待されれてるのに応えないなんて女が廃る。女は度胸だ!
スコーンを口に含み、紅茶で一気に飲み干す。あ、死んだ筈のママとパパが手を振っている。ママパパ大丈夫だよ!娘は婆ちゃんと2人で仲良く日本で魔女してるよー!
「お、おい!大丈夫か!?」
「パパぁ…えへへ…」
「か、可愛…じゃない!本当に大丈夫か?体調悪いなら言えよな」
はっ!!何やらとんでもない物を摂取したせいで死にかけた気がする!夢の中でもう一回死ぬ所だった。
「だ、大丈夫です…」
「大丈夫に見えないし、休んだ方がいいぜ。客室があるからそこで寝てるといい。用事ないなら泊まっていけよ」
好意に甘えてお泊まりする事にした。イギリスさん…姫抱きは勘弁して下さい。確かに気分悪いから助かるけど恥ずかしいです。
客室はゴシックでエレガントなお部屋だった。落ち着いた調度品は、とても高そうである。猫足家具なんか可愛らしくて素敵だ。
お手洗いとお風呂の場所も教えてもらって、疲れたのか眠ってしまった。夢の中で更に眠るとは…初めての体験だ。
「うぐっ…ロシアもち…」
体調不良の正体は、ロシアもちがお腹にのし掛かっていたからだった。スリスリしてきて可愛いので起こせず、学校を遅刻して怒られた。でも後悔はしない!
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作者名:ヴァーニャ | 作成日時:2015年5月25日 1時