やすの思いと大倉の願い4 ページ20
ぽつんと一人残された部屋。
目を閉じてみるけど、頭の中がぐるぐるして
眠れない。
それに、大倉が来たら何て言おう。
すばるとの事も言わなあかんし。
コンコン。
「ちょっとお邪魔するよ。」
そういうと、何か大きなものを運んできた。
「マスター？これは？」
「布団だよ。」
そう言うと、布団を俺の隣にひきはじめた。
「こんな隣にひいたら、迷惑じゃ。」
「Aさんのじゃないよ。」
「え？」
「さっき電話あってな、
お前のおつれさん、熱があるらしい。
今、こっちに向かってるから。
ついでに、先生も向かってるから。」
「すいません、いろいろとご迷惑かけて。」
「お前が帰ってくるまで外で待ってたらしい。
3時くらいから待ってたらしいぞ。」
「なんで·····。」
「それはこれから二人で話すんだな。
Aさんは今夜は家に泊まらせるから。
あ、来た来た。」
「マスター、お待たせしました。
さあどうぞ、入ってください。」
すいません、といいながら入ってきた彼は
暗闇ではわからなかったけど、かなりの
イケメンさんだった。
ロングコートを脱ぐ姿もさまになっている。
「あ、そこに着替えあるから。
息子ので悪いんだけど、その格好じゃ
寝れないだろうから、使って。」
部屋の隅にカバンを置いて、着替えを始めた。
「先生が来たら、Aさん、連れていくから。今日は家に寝かせるから。」
「え？いいんですか？」
「君たち二人で大丈夫やろ。
それに、ゆっくり話もできるやろ。」
「私もそれが良いと思います。」
コンコン。
「はーい、あ、先生。
すいません、またお呼びしてしまって。」
「大丈夫だよ、仕事だから。
それにしても君たちはほんとに仲が良いんだね。
同じだね。
だから同じように、お注射しておくよ。」
「げっ！」
俺は大倉の言葉に笑ってしまっていた。
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作者名：niko | 作成日時：2020年2月12日 21時
