青いタイダイ屋さん (ページ18)

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やすの思いと大倉の願い2 ページ18

「もしもし、おれだけど･･･」

「おまえどこにいるんや！(怒)」

「ごめん、連絡遅くなって。」

「そんなこというてへん、
お前今、どこ？」

「おまえこそ、どこにおるん？」

「お前の部屋の前！
ずっとお前待ってるんや！」

「嘘？」

「嘘やないわ。
もう、どんだけ探したと思ってんねん。」

「大倉、ごめん。
俺な、熱だしてしもうて、今、知り合いの
部屋で寝てるねん。」

「何でやねん。
何で俺んとこ、電話してきてくれへんの、」

「ごめん、ほんまにごめん。
今から迎えに行くから。」

「ダメですよ。
まだ、外に出たら。」

そう言うと、Aさんに携帯を取られた。

「もしもし、私Aと申します。
カフェで働いてるものです。
安田さんは熱をだして寝てますので、代わりに私がそちらに行きます。
いいですね。」

「あなたの部屋の場所教えてください。
私が行ってきますから。」

「でも、そんなことまで。」

「可哀想じゃないですか？
暗い中、不安で待ってるんですよ。」

「あ、はい。」

「ここに紙と鉛筆ありますからね。
わかるように書いてくださいね。」

俺は、紙に場所と目印を書いてAさんに
渡した。

「じゃあ、行ってきますから。
おとなしく、寝ててくださいね。

で、その方のお名前は？」

「大倉、大倉忠義って言います。
背が高くて、すらっとしてます。」

「わかりました。」